暗号輪舞曲~悪女ジェシカと血塗られた英国王室の謎~

作者 結愛みりか

何を読むか迷ったら、ぜひこちらの作品を読んでください!

  • ★★★ Excellent!!!

Web小説において、現代ドラマやミステリーといったマイナージャンルは、それだけで不利になります。

なぜなら、単発的に面白さを積み上げていく人気ジャンルと違い、伏線や起承転結で物語を積み上げ、全体として一つの面白さを書く必要があるからです。

そのため、ストーリーの起伏を作る上でどうしても単調な展開(のように見える)を挟む必要があり、毎回楽しみを待つ読者にしてみれば、飽きられる危険があります。

その危険をどうするかがマイナージャンルを書く上でのネックになるのですが、こちらの作品は、あえて危険に真っ向勝負を挑んで成功した傑作作品です。

物語は、英国の陰謀の陰で生きる毒婦ジェシカと、彼女の周りで生きる様々なキャラクターたちが絡み合うミステリーです。

構造的には、歴史的陰謀という大きな謎と、キャラクターたちが抱える謎が幾重にも絡み合っており、謎が解明されるにつれて最後の陰謀が明かされるという仕掛けになっています。ネタばれをしないようにシンプルに書いてますが、実際はジェットコースター級の波乱に満ちてます。

注目すべき点は、ジェシカの生きざまと、各キャラクターたちの思惑です。一話ずつしっかりと積み上げられていきますので、とにかく目が離せない展開がラストまで続いていきます。ちなみに私は、三回くらい「マジかよ」と、いい意味で振り回されました。

それを成功させているのが、キャラクターのバランスです。どのキャラクターも単体では濃い存在なのに、あえて立ち位置に合わせて抑えられていて、そのバランスのおかげで、ジェシカという毒婦の生き方を、読者は夢中で楽しめるようになっています。この技法はかなり勉強になりますので、キャラクター作りに悩んでいる方はその点にも注目して読むと、得られるものが大きいかと思います。

生々しい設定とは裏腹に、読みやすさに配慮した軽快なタッチとテンポは心地よく、ミステリーとしても、ヒューマンドラマとしても楽しめます。ラストは、作品が放つ魅力にやられること間違いなしです!

みなさまに強くオススメするこちらの作品。一冊の本というスタイルで読めば、きっと新たな感動に出会えると思います!!

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その他のおすすめレビュー

★★★ Excellent!!!

読み始めてまだ大長編ものには浅いのですが、本作が埋もれてしまうのは勿体ないと、エールを送るべく、筆をとりました。

レビューの更新も予定しております。

私自身が、擬音語や擬態語にとても敏感に反応す… 続きを読む

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