暗号輪舞曲~悪女ジェシカと血塗られた英国王室の謎~

作者 結愛みりか

華やかで艶やかな英国の闇へようこそ。

  • ★★★ Excellent!!!

英国王室付き毒婦が主人公の本格英国ミステリーです。
英国貴族の華やかな生活や舞踏会を描き出す一方、裏に潜むは緻密に張り巡らされた謎。
まさに読者が離れられなくなる毒です。
情景・心理描写に引き込まれ、先が気になり、ハラハラしながら読み進めさせる引力をもった作品で、本格の言葉に偽りなしです。

作品の主人公は、毒婦・ジェシカ。
美貌を駆使し、女王のために貴族を屠る毒婦ですが、決して非情な暗殺者でないところが魅力です。
標的は逃さないが、女が疼けば衝動に従う。
女であることすら武器にする強かな様は、ダークヒーローならぬ、ダークヒロインと呼ぶにふさわしいでしょう。

しかし、上には上がいる。
胆力の強いジェシカを押さえ込む薔薇の淫魔・アルフォンスは、敵でありながら……といった不思議な男性です。
このアルフォンスがジェシカを手のひらで転がし、対峙する様もまた、作品の魅力のひとつだと思います。

ジェシカたちが暮らす、私たちが知るはずのない時代の英国であるにも関わらず、確かにあったと思わせる情景描写とキャラクターたちの呼吸は、作者様の筆力あってのものだと思います。
重厚な英国の闇を覗き見ている気分になります。

他にもさまざまなキャラクターが絡み合い、展開する謎を紐解く物語。
ジェシカがどこへ行き着くのかを、ぜひともご一読ください。

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