暗号輪舞曲~悪女ジェシカと血塗られた英国王室の謎~

作者 結愛みりか

ミステリーの本場・英国で暗躍する、したたかな毒婦の物語。

  • ★★★ Excellent!!!

 霧煙るロンドン。言わずと知れたミステリーの本場だ。そんな霧の都の歴史の裏で、暗躍する一人の毒婦が主人公の、ハイクオリティ・ミステリーだ。
 ある日、この時代のロンドンでは存在しない毒薬・ジキタリスで男が殺された。それを仕込んだのが、主人公の毒婦・ジェシカだ。ジェシカは英国王室に忠誠を誓い、女王陛下からジキタリスを託されていた。その毒は、もちろん、英国王室に仇名す者たちを排除するために使われた。しかし、ジェシカは好機であると共に、妖艶でもあった。偽装夫婦を演じる一方で、他の男にも目がない。そして、一人のヤード(現代日本では警察のような働きをする)の青年は、ジェシカに恋をしてしまう。ジェシカに、利用されるとも、ジェシカを信じて……。
 そんな中、ジェシカはある日、己の淫乱のせいで、女王から貰ったジキタリスを盗まれてしまう。取り戻したものの、王室ではそれよりも大きな動きが起こっていた。時代の流れに翻弄されながらも、したたかで妖艶、かつ華麗で高貴なジェシカの運命は果たして――⁈
 この作者様の御作はどれもレベルが高い。そして物語の色、雰囲気をここまで変幻自在に操れる作者様は少ないだろう。巫女さんの可愛らしいミステリ-から自由奔放な海賊が登場する物語まで、実に時代も土地もキャラクターも、作品ごとに雰囲気がまるで違っている。今回はイギリス統治下以前のロンドンが舞台で、キャラクターの年齢も前述2作よりも上に設定され、ぐっと大人の雰囲気だ。暗殺や殺伐とした時代を描いているのに、物語全体が重たくならないのは、作者様の技量だろう。今後の展開に期待大だ。

 絶対に読んで損はしない。
 だから、是非、ご一読ください!

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