第四章 呪いの慰安キャンプ

序章 わくわくドキドキ、キャンプの始まり

 キャンプ初心者でもちゃんとした指導員がいて、楽しくキャンプに触れあう事ができるイベントを近所のキャンプ好きの大学生サークルが格安で開く事になった。

 その名も『東京フレンドリーキャンプ』

 ご飯と豚汁とおひたしというキャンプ飯の作り方を教えてくれて、冬のテントでの暖かく眠る方法、キャンプファイヤー等、色々と老若男女問わず楽しめる企画を考えていた。


 キャンプイベント三日前より食材の搬入を行い、生肉等は当日に運んでくる。準備も万端、一旦三日前に大学生達だけで疑似的にキャンプのプログラムを行ってみる。

 大学生の男女で五人のサークルは色んなキャンプ場でキャンプを行い、それなりにアウトドアにも精通している自信を持っていた。



「渡辺、今回は五組の参加だぞ。良かったな! それもJkが一人いる」

「マジか!」



 男子二人に女子一人で申し込んできた学生。少女は何処か化粧気もなくお洒落な感じではないがまぁまぁ可愛い。



「こういう子を自分好みに仕立てていくのも悪くないよな。この子落とそうかな」



 そんな風に浮足立ち、当日を迎える事になる。



「そういえば野菜の無人直売があったから、100円だけ入れて全部持ってきた。豚汁の具材に殆どお金がかからなかった。あとゴボウが自生してたからそれも持ってきた。使わなかった分でお酒買ってきた! ローヤル!」

「おぉ!」



 歓喜する大学生達。それはとても楽しいキャンプが始まるハズだった……


             ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 キャンプ当日。文芸部の三人は宿題と称して、キャンプの前日まで執筆のノルマを勧めていた。

 それ故全員少し寝不足。



「はは、皆さん目に隈が凄いですね……ははっ、もう僕目の前に異世界が広がっているんですけど……あれ? 女神様ですか?」



 ミーシャがちょっと見た事のないテンションでその辺を触れようとしているので、茜は無言で鞄からユンケルを取り出す。



「欄姐さんのところにいるあの馬鹿じゃねーけど、ちょっと今回は栄養ドリンクの力を借りねーとぶっ倒れそうだ」



 キャンプにテンションが上がりすぎて全力の徹夜を繰り返した三人。満月はテントと寝袋は借りれるとの事だったので、飯盒やらちょっとした料理が作れそうな機材を持ち込んでいたが、普段は重さを感じないそれらが異常に重く感じる。



「何これ……これこんな重かったっけ? てか、家帰ってねてー」



 言い出しっぺの満月がこんな事を言い出すが、逆に茜とミーシャは真逆だった。



「何いってんださじ! 炎の前で焼き鳥と焼きマシュマロすんべ! なーミーシャ!」

「はいー! 茜ぱいせん! 焼きマシュマロをホットチョコレートとか、チョコビスケットで挟んで喰うっす!」



 何のテンションか分からないが、二徹すると人格が変わるというレポートをここにいる誰も取る事は出来ない。

 何故なら全員少し頭が吹っ飛んでしまっているのだ。



「とりあえずあっちで、受付するよ。マジかえりてぇけど」



 そう言って大学生達に参加料を払い、既に組み立てられているテントに案内される。



「こんにちは、私は間宮めい。めいさんって呼んでね!」



 茜とミーシャは敬礼をすると「はい! めいさん」と叫ぶ。

 他の大学生にも挨拶をされるが、あまりの眠さにテントに入るとすぐにシュラフに潜り込む。



「一同、とりあえず寝るべ?」



 部長満月の言葉。

 それにミーシャは泣きそうな顔で言う。

 そして、徹夜で幼児化した茜もミーシャに倣う。



「はい! 寝ます! ミーシャ寝ます!」

「ミーシャが寝るなら理穂子も寝るっ!」



 朝十時半に三人はテントの中でぐーぐーとイビキをかきながら眠る。大学生がお昼ご飯のホットドッグ作りに起こしにきたが、全然起きるそぶりはない為、しばらく放置され。

 日が傾き、気温も下がってきた頃に、むくりと茜が起き上がる。



「やべぇ、すげー腹減った」



 スマホを取り出すと十七時半。外はがやがやと騒がしい。そして狭いテントの中で考える。



「あれ、私なんでこんなところにいるの?」



 何かを踏む。ぐにっと変な感覚。



「うげぇ!」



 満月が叫ぶ。



「てめぇ! 理穂子! 何処踏んでんだよ! 死ぬよ! 俺の一番大事なやつ踏んだからね? おまっ!」



 茜は満月の大事な部分を踏んだ事に頭を下げる。



「あっ、ごめんなさーい! まさかさじのアレがそんな立派だとは思わなかったっす! すまねぇっす!」



 イラつく話し方に閉口する満月だったが、外を見ると六時前でもう暗い。そして寝すぎた為眠くない。



「おーい、ミーシャおきろー! ご飯デスヨ!」

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