幕間 一欄台学園埋蔵金騒動

回答話 埋蔵金を隠した男、横山英雄

 横山英雄の元に一枚の写真が送られる。

 それは埋蔵金を前に満面の笑顔でピースをしているミーシャ、満月、茜。そしてそれがしっかりと英雄が望んだ場所に寄付された事を知る。

 ミーシャ達は創立から五年間の生徒達に電話やSNSを駆使して経緯を説明、寄付して良い事の承諾を取った。

 元々ベトナム戦争後に疲弊したベトナムに寄付を集めていた物だったらしい。その機会をミーシャ達の大先輩達は失ったが、今再び誰かを救えるチャンスが与えられたと、皆一様に喜んで寄付を勧めた。



「ふっ、大した連中だな」

「英雄、これお前にって……」



 同じ刑務所内で寝食を共にする受刑者が英雄に渡したお菓子。それを見て英雄は懐かしくなる。自分が世話になった外国の孤児院で、一週間に一回振る舞われていた物だった。この日本で食べられるお菓子に比べれば随分簡素な物だったが、懐かしさも相まって横山はぱくりとそれを食べる。



「これこれ、うまいな!」

「英雄、これで俺の不幸貯金は随分-になった」

「お前……あの宗教のシンパか」



 その後英雄は倒れ、看守がかけつけた時には意識不明の状態。囚人達はこうなる前の横山は苦しいだろうに、他の囚人達に「子供達が……危ない、あいつの息子が生きてる」

 と言い残した。


 その話を聞いた看守は上司に相談し、横山には子供はいない。倒れる前に高校生が寄付をしたという孤児院、そこは寄付のおかげで今も健在。横山の願いは成就されただろうと勝手にかたずけられ、横山が倒れた事は再び物議をかもす大きなニュースとしてしばらく取り上げられる事になった。

 最後に交流のあったミーシャ達のところに何度か警察が来たが、当然、事件に関与しているわけもなくしばらくすると鎮静化した。


 横山は食べた海外のお菓子に寄生虫が入っていた事が分かり、事件性は少ないとその話は鎮静化していく。但し、誰がそのお菓子を差し入れしたのかはどう調べても分からなかった。

 そんな事は知らず、満月の想い人の容体が好調で、埋蔵金探しも楽しんでくれた事に文芸部の皆はいつも通りの小説を書く日々に戻っていく。

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