01-19 称号確認
「……どうしよう、基本職がなくなった」
基本職のレベリングをしよう!
そうして維持していたテンションが醒め、なんだかグータラな気分に満たされる。
分かりやすく言うと、物凄くダラダラしているのが現状だ。
寝転がっているわけではないが、死人のように町の中をウロウロしている。
目的も無いのに外出し、散歩をしただけで一日を充実して過ごせたと自身に誤認させるとある警備員の所業だ。
「……あっ、生産があったっけ?」
まだいっさいレベルアップしていない(錬金士)、早くやらないと。
「…………まあけど、後でもいっか」
レベルアップは苦行、という説は今の俺に当て嵌まらないが、またそのポーションが普通のと異なっていても心が折れる。
まずは、心の準備をするところからだな。
さぁ、そんな話は置いといて……とりあえず称号関連の事柄を見ていこうか。
実は基本職のレベリングの最中に何度も連絡は来ていたんだが、怖かったから覗かずにスルーしていた。
だって、前に見た称号ですら傍から見ればチートなのに、もしかしたらそれがもっと増えるんだぞ?
──貴方は、現実を直視できますか?
「さて、そろそろ特典を頂きますか。……スキルがあるか分からないけど」
そして調べてみた。
分かりやすいようにジャンルごとに分け、特典がスキルの物はその内容を。
そうでないものも、どういった効果があるのか纏めてみたぞ──
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戦闘系
『殲滅者(〃Lv-)』:戦闘中倒した魔物の数だけステータス補正(戦闘ごとにリセット)
『地獄の体現者(〃Lv-)』:戦闘中状態異常『恐慌』の魔物の数だけステータス補正(戦闘ごとにリセット)
戦果系
『兎の天敵(〃Lv-)』:敵対する兎系統に属する魔物へマイナス補正
『魔物の天敵(〃Lv-)』:敵対するあらゆる魔物へマイナス補正
最初系
『最速基本職マスタリー』:職業枠+1
特殊系
『
『
『
『
『野生児』:ログアウト可能……例え、デスゲームになろうと
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「し、死亡フラグが立てられた!」
どれに対するツッコミか、まあ言わずとも分かってもらえるだろう。
デスゲーム──まあログアウトが不可の状態に陥り、GMが用意したクリア条件を求めている……はずなのに、なぜか殺し合いになるという、人間性が丸見えのアレか。
スキルが示す通り【傲慢】にならず、常に【慈愛】溢れる偽善を行えば大丈夫だろう。
「……なお、『何が?』と訊いてはいかないでござる」
さて、一番下にインパクトを持ってかれて忘れていたが『○○狂い』もやばい。
クレームをしたい名前はともかく、専用とはいえスキル枠が+1されると言っている。
初心者はまず十個なのに、結果枠が十八個もあるんだぞ?
……どんだけ戦略の幅が増えるんだよ。
「──と、いった問題は無視して、とりあえず転職してくるか」
俺が強くなる分には、何も困らない。
もし称号が示す通り、AFOがデスゲームになろうと簡単だ……要は
こうして考えれば、目的も少しずつ明確になっていく。
とりあえず、強くなっていこうか。
今回もチャーリーさんに許可を頂き、水晶の間に入った。
神殿の掃除をしていたので、その手伝いながら少し話をしてみると、俺以外にも水晶の間に入った奴が何人かいることを知ることができた……安心安心。
これで俺だけが基本職じゃない……なんて事態は避けられそうだ(まあ、いちおう隠蔽はかけてあるんだがな)。
気を取り直して転職だ。
さっそく水晶に触れてみると──
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転職 [絞り込み:適職]
(
魔戦士・魔法士・戦闘士・忍者・暗殺者・剣士・槍士・弓士・調合士
【
正義の勇者・正義の魔王・??
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「勇者と魔王……はい、却下デース」
最初の転職の頃から出ているんだが、どうしてか毎度適職に割り込んでくる。
厄介事を呼びそうなので、
剣士や槍士などは、倒した魔物の数でも関係あるのかな?
スキルレベルだけなら、亜竜を倒したときに出ていただろう。
「さて、この中からどれを選ぶべきか……」
他のプレイヤーが来ると困るので、ササッと決めて退出した。
そして、新たな職業はこれだ──
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ステータス
名前:メルス(男)
種族:【天魔Lv20】
職業:【初心者Lv20】・(錬金士Lv1)・(召喚士Lv15)
NEW
(剣士Lv1)・(調合士Lv1)
HP:740
MP:800
AP:740→790
ATK:98→103
VIT:100
AGI:98
DEX:98→103
LUC:98
BP:0
スキルリスト
特殊 NEW
(殲滅者Lv-:称号)(地獄の体現者Lv-:称号)
(兎の天敵Lv-:称号)(魔物の天敵Lv-:称号)
(剣の心得Lv1:職業)(調合の心得Lv1:職業)
SP:116
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──こんな感じだな。
剣士に関しては特に意味がない、言うなれば侍になりたかったからでござる。
……忍者でも良かったんだが、今はレベル上げをしても格納できないからな。
(初心者の可能性)に入れることができるのは、(○○の心得)が習得できる一次職と呼ばれる職業だけだ。
育成ゲーのノリで就いた『召喚士』は別として、あとは考えて就く必要があったのだ。
「──よしっ、生産職を上げますか!」
神殿から出た俺は、そう覚悟を決めてある場所へ向かった。
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