其の三、早押しテクニックのあれこれ
ここでは、ついに競技クイズの真骨頂、「早押し」に関するテクニックを紹介する。
1.読ませ押し
これはクイズプレイヤーの持つ汎用スキルのようなものだ。
クイズを読んでいる人は、ボタンを押した瞬間に読むのを止めることができないという性質を生かして、少し早目に押して押してから読まれる2〜3文字をヒントにするという手段。
助詞が聞けたり、並列されているものの次の一文字目が聞けたりするとラッキーだ。
これは訓練でできるようになるので、ぜひガンガン押してみてほしい。
2.Tap(Thinking after push)
この名前は私のオリジナルだが、要するに押してから考えるというものだ。
脳の引き出しというのは思ったよりも建て付けが悪い。
答えが分かるポイントが聞こえたら、考えるよりも前にボタンを押し、それから与えられる5〜3秒のカウントの間に大急ぎで引き出しを漁ろう。きっと答えは見つかる。
3.並立問題攻略
其の一で紹介した並立問題には、三種類の押しテクニックがある。
一つ目は、並立しているものの順序の法則を見つけること。
例えばこういうことだ。
「原子番号で、1番は水素、2番はヘリウム、では3番は何でしょう?」
これは並立のなかでも三段ジャンプ問題と呼ばれる、パラレルのような要素も含んだ形式だ。
これには、「原子番号を小さな方から3つ」という法則がある。
それに従えば、「〜1番は水素、2/」まで聞けば、リチウムが導ける。
3段ジャンプの問題は全てこのような文章の形なので分かりやすい。また、4段以上のジャンプもないので安心してよい。
他にも、五十音順や登録番号順などもあり得るので、よく聞き、落ち着いて答えよう。
二つ目は、並立しているもののうち、仲間外れを答えること。
例を挙げるとこんな問題だ。
「人間の身体を流れる三種類の血管とは、動脈、静脈と何でしょう?」
答えは毛細血管なのだが、動脈、静脈、毛細血管を並べてみた時、毛細血管だけ明らかに浮いている感じが分かるだろうか?
これが、即ち仲間外れだ。
こういう問題では、基本的に「その中で最もマイナーなもの」、「語感が異なるもの」が答えになる。
これを知っていれば、上の問題も
「〜三種類の血管/」
こんなに早く答えることができるのだ。
ただし、必ずこの法則が成り立つわけではないので、もしこの手の問題でこの虎の巻に則って早押しをして、間違ったとしても私は一切責任を負えないので悪しからず。
三つ目はかなりリスキーなので、オススメできないが、一応紹介しておく。
それは、語感で選ぶこと。
これは自分が負けていて、相手に解答権が回ってしまうと負けるような状況の時に、特に法則性のない並立問題に出会った時に使えるテクニック(ゴリ押し)だ。
例えば、
「日本三景とは、京都府の天橋立、広島県の宮島と宮城県の何でしょう?」
この時、確定ポイント(問題文中ので答えがただ一つになる位置)は「広島県」の「ひ」だ。
これより早く押してしまうと、宮島なのか松島なのかわからない。
松島から始まっているので、北から順かも知れない。だが、一つだけ「三文字で島がつかない」天橋立が答えの可能性なども考えられる。
でも、確定ポイントまで待つと押されてしまう。
こういう時は、直感に頼ろう。
確定ポイントより早く押して、二択を当てる。これも十分なクイズのセンスだ。
4.特定を読め
これが最後のテクニックだが、かなり高度なので初心者は無視してもらっても構わない。
クイズの答えというのは、前述している通り、唯一でなければならない。
つまり、類義語が全て答えになってはいけないのである。
そこでよく使われるのが「特定を取る」という行為である。
次の問題を見てほしい。
「追いつ追われつする試合を、ある遊具の名前から何ゲームというでしょう?」
最も有名な特定の例だ。
「ある遊具の〜」という導きがあることで、シーソーゲーム以外の類義語(クロスゲームなど)の回答を潰している。
これによって、回答が唯一になった。
これが「特定を取る」である。
では、タイトルの「特定を読む」とはどういうことか。簡単である。
今の問題でいえば、特定が取れるものが答えになることが分かっているので、遊具という言葉が出る前にシーソーゲームと答える。
これが「特定を読む」である。
正直めちゃくちゃ難しいので、あまり無理せずゆっくり聞いても構わない。
一応例題
「美味しいものを食べて満足することを/」
答え:舌鼓(を打つ)
特定を取るために、「ある楽器を使って」という文が入ることを読んだ回答。
正直これができれば、この虎の巻を読む必要はない。
さて、これで虎の巻は終わりだ。
最後に問題をいくつか置いておくので、ぜひ解いてみてくれ。(難易度は完全にランダムである)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます