其の一、種類を知れ!

 初心者によく聞かれるのが、「何で聞かれてること分かんの?」というものである。

 確かに、何も知らなければ果たしてこの問題は何を答えさせようとしているのかは分からない。しかし、ある事を覚えれば、其の疑問は一気に解決する。

 実は、競技クイズには、いわゆるテンプレートのような問題の種類がある。

 その種類を知れば、どのようなことが聞かれるのかがすぐに分かる。

 そこで、ここでは基本的な問題のテンプレートを紹介する。



 1.小説イントロ

 いわゆる、「『〇〇』という書き出しで始まる〜の小説は何でしょう?という形式の問題。この場合は、小説のタイトルを答えれば良い。

 いきなり冒頭部分から読まれる形式なので、いかに早く小説イントロだと気付けるかがポイント。冒頭だけで答えが分かる→つまり有名な作品ということなので、初心者にも答えやすい問題。時間があればリストを作って暗記してみてもよいだろう。



 2.パラレル問題

 これも頻出の形式。「〇〇は△△ですが、□□は何でしょう?」というもの。これは対比されているものを答えれば良い。

 読み合い形式では、パラレル部分(対比させる部分)にアクセントが付くが、文章形式だと少し答えにくい問題。しかし、これもある方法を使えばある程度予測できるようになる。それについては「其の二」で詳しくみていこう。



 3.言葉問題

 一見関係のなさそうな言葉を「〇〇、△△、□□」という風に羅列し、「〜に共通して付く言葉は何でしょう?」や「〜という種類のある生き物は何でしょう?」といった問題。これはそれに続く言葉や、生物の種名を答えれば良い。

 これも小説イントロと同じようにいかに早く気付けるかがポイント。これに関しては、経験や知識がものを言うので少し初心者には不利な問題。しかし、このような形の場合その続きを答えればよいと分かっているだけでかなりのアドバンテージがあるといえる。



 4.由来、他言語問題

 クイズの約3割くらいを占めるが、最も初心者と経験者の差が出やすい問題の一つ。

「〜から転じて」「元々は〜であった」「〜語で…という意味がある」という形式の問題。逆に「漢字では〇〇とかく」というパターンもある。これはそのままその言葉を答えれば良いのだが、他言語の場合は原則として「日本語」での呼び方を答える必要があるので注意だ。

 ある物事に対して、いかに周辺知識を持っているかが試される。



 5.固有名詞(人物名)問題

 クイズにおける最大の難関。大抵の問題は、答えを知らなくても、少し考えれば思いつくようなものもあるが、このような固有名詞(特に人名)は考えて分かるものではないからだ。

 さらに、この形式にはテンプレートというテンプレートが存在しない。

 商品名なら販売元の企業名から始まる場合もあれば、その商品名の由来から始まる場合もある。

 人物名に至っては逸話、残した言葉、功績、など何でもありである。(芸能人やスポーツ選手ならさらに自由である)

 これは正直、初心者は後回しで良い。



 6.学問系問題

 いわゆる「クイズ」。教科書に載っているような語句を問う問題。歴史上の出来事なら、年号から始まるし、理系の科目なら「〜において」などと分野から始まることが多い。

 これもテンプレートはなく、作問者の癖によって多種多様なパターンが存在する。

 しかし、人物に比べると、聞いたことのあるようなものや、一度覚えたものがほとんどなので、かなり押しやすい。



 7.並立問題

 これは、「〜な三つのものとは、〇〇、△△と何でしょう」という形式や、「〜で、1番は〇〇、2番は〇〇、では3番は何でしょう?」という形式のもの。

 何を聞かれているのかは明確だが、問題は押すタイミングだ。これはテクニック次第では初心者でもかなり簡単に早押しできる問題なので、ぜひ覚えよう。

 これについては其の三で詳しく取り扱う。



 以上が、大まかな「問題の種類」である。

 何を答えれば良いのか分かる。それが競技クイズのスタートラインだ。

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