結局、僕はきみしか見てないってこと

作者 早瀬翠風

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★★★ Excellent!!!

繊細な言葉選びで徐々に明かされる物語の真相。

ひとときの幸せな時間のあとに待っている残酷な瞬間。
生と死を始めとして、希望と絶望や過去と未来、などさまざまな対比で彼らの状況を表しています。

想いは幻に溶けていきそうな儚くも美しいラスト。
読めば読むほど切なくなっていく至極のセンチメンタルホラーです。

★★★ Excellent!!!

大切な人と交わす、何気ない会話。何気ない微笑み。
その中のあちこちにきらめく、微かな喜び。
人はほんの少しずつ、そんな日々の幸せを心に積み重ねる。

その何気ない幸せが、どれほど得難く、大切なものだったか——
愕然とそれに気づく瞬間がある。

そして、目の前の幸せを残酷に奪っていくその瞬間は、自分たちの肌を掠める距離で無数にうようよと蠢いている。

再び、光に向かって進めるのか——
大切な人の手を離さずに、幸せに向かい歩いていけるのか。
自分たちの力ではどうにもならない闇に立ち竦む絶望感を、美しく、切なく描き出した、ずしりと冷たい余韻を残す物語です。

★★★ Excellent!!!

壮大な比喩というのは、かりそめのなかに本質を見出すことにほかならない。ならば本作の「彼」は、その半生において何を見つけたのか。

本作を読み終えてなお、まだ自分は答えをどう出すか決めかねている。

それは刃のうえに立つように、どちらにでも簡単に転んでしまうからだ。

ああすればよかったとか、こうすればよかったとか。

結果から見れば簡単に思えることも、当事者にとっては容易ならざる選択を迫られることもあるのだ。

どうすることも出来なかった。

そのことに対して「彼」はこれからどう答えを探し続けるのだろう。

★★★ Excellent!!!

約2000文字に込められた物語。
両想いの2人を切なく描いた作品です。

たったこれだけの文字数で、ここまで表現できてしまう。

作者さまの巧みな構成と言葉選びに鳥肌が立ちました。

読み手の想像力をどんどん膨らませ、物語を構築していく面白さ。

これは是非、一読して頂きたい作品です。

(ジャンルがホラー? それはきっと冗談ですから!w)

★★★ Excellent!!!

ジャンルはホラーになっていますが、短い中に希望と絶望、そして大好きな彼女への思いがぎゅっと詰まった、美しく儚い掌編です。

彼が見ているものは、夢か幻か。
もしかすると、彼らのような「境界」に来た者には見える世界なのかもしれません。
「境界」の彼の向かう未来について、読後はきっと誰もが同じことを強く願うでしょう。

彼の選んだ道の先に、微笑む彼女がいますように──