フショクルシェーニヤ

作者 コーラカル

39

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★★★ Excellent!!!

旧ソ連を思わせる、文明が荒廃して原始的な農耕生活を送る国家、「ニジビュカ」。党幹部を父にもつ、国いちばんハンサムな少年・周平が、療養を終え、みなに待ち望まれながら上級子息の通う学校に復帰したところからお話がはじまります。

農業国家の理想を説きながらも内面は腐敗した党、その次期トップと目される「エンペーリン」、貧しい生活を送るが頭脳明晰な青年リュウイチ、孤児の少女ロー、周平をとりかこむ美女たち……彼らの生活をたんねんに描きながら、ストーリーはしだいに不穏さを増していきます。危険を冒してエンペーリンを挑発する周平の目的は? しいたげられた人々にくすぶる革命への思いは、旅を続ける周平の運命とどう交錯するのか?

ディストピアSFのジャンルになるかと思いますが、魅力的なキャラクター造形はライトノベルでも十分通用するでしょう。冒頭のオリジナリティはそのままに、話が進むごとに読みやすく手に汗握る展開に感じられます。

興奮のあまり、一気に読んでしまいました。
完成すれば、きっと書籍化すると思います。それくらい力のある作品です。ぜひ、お読みのがしなく。

★★★ Excellent!!!

 とにかく描写が美しい。
 話が飛んだり、初めは誰が主人公なのかもはっきりとしなかったりしますが、
 それ以上に読み進むうちに、これは素晴らしい作品なのではと思わされます。

 物語の舞台は、旧ソビエト連邦末期のような文明を放棄した国家(ソビエトは文明を放棄していませんでしたが)。
 そこに、ひたひたと変革の気配が漂います。
 その中心人物となりそうな主人公、優秀で飛び切り見目麗しい青年と知恵おくれとも思わせる乞食の少女。その二人が出会い、ともに過ごしていきます(今のところですが)。

 まだ歴史の中で語られるには、生臭い匂いのする時代と国家を、見事に描き出しています。

 次代の大物作家を応援されたい方は是非。

 おすすめです。