第22話 この部屋の中だけの秘密らしい。

 ここまで読み進めて下さってありがとうございます。深く感謝いたします。

 突然ですが、お話を進める前に、筆者からの注意事項です。


 筆者はこの作品がネット初投稿なので、エロネタのさじ加減が分かりません。


 想像力が豊かな読者様にはエロすぎるかもしれませんので、下ネタが苦手な方および15歳未満の方は恐れ入りますが、ここで引き返して第24話に進んで下さい。

(第22話と第23話をスキップしても話は一応つながります)


 なお、登場人物には全く罪はありません。けがれているのは筆者のみです。


 運営様へ。しばらく公開を自粛しておりましたが、過去2回のカクヨムコンテストでは問題視されておりませんでしたので、そのまま再公開させていただきます。


 もし問題があるようでしたら、「第22話に問題あり」とご連絡ください。





 ――では、覚悟が出来た方はどうぞ。





 ミチノリ気絶中につき、第22話は読者様かみさまからの視点でお送りいたします。


「どうしよう! お兄ちゃんが倒れちゃったの!」

「マジかよ! おーい、しっかりしろー」


「2人とも落ち着きなさい。私がすぐに子守こもり先生を呼んで来ます」


 フローリングの上に崩れ落ちたミチノリに驚くポロリとネネコ。ミユキは2人に声を掛けてから、急いで養護担当の子守先生を呼びに101号室を出て行った。


「お兄ちゃん、具合が悪かったのかなぁ?」

「ちょっと様子がヘンだったけどね」


「みんなの前でパンツまで脱いじゃったから?」


「そのときは普通だったんだけど、その後2人で一緒にトイレに入って、出たときから様子がおかしかったんだよね」


「えっ? ネコちゃん、お兄ちゃんと2人きりで、一緒のトイレに入るの?」


「なんで? べつにいいじゃん、先輩とするくらい……あっ、お姉さまだ!」


 早足で近づいてくるスリッパの足音が止まり、ミユキが部屋に戻って来た。

 続いて白衣を着た初老の女性が部屋に入る。

 養護担当であり、この寮の寮長でもある子守先生だ。


「よろしくお願いします」

「お願いします!」

「お願いしま~す」


 ミユキが子守先生に挨拶あいさつして頭を下げると、ポロリとネネコも後に続く。


「はい、ちょっとお邪魔しますよ」


 先生はポロリとネネコの間を割るように、床で寝ているミチノリの隣に座る。


「部屋でおしゃべりしていたら突然倒れてしまって……大丈夫でしょうか?」


 そして、ミユキの話を聞きながら、ミチノリの額に手を当て、手首を軽く握る。


「熱もないようですし、脈も正常です。持病も特にないはずですから、おそらくストレスでしょう。疲れて倒れてしまい、そのまま眠っているだけです。何か気づいたことはありませんか?」


「部活の見学から帰ってきてから様子がおかしかったと思います」


「そこで何かあったのですか?」


「美術部でミチノリ先輩がヌードモデルを引き受けて、それを見ながらみんなでお絵描きしました。そのあと一緒にトイレに入ったら、ほかの先輩が何人か入ってきて、あれはホーケーだって。そんな話をしていて……それを聞いたミチノリ先輩は急に元気が無くなっちゃって……」


 ミチノリと同行していたネネコがミユキに代わって質問に答え、持ち帰った絵を証拠品として子守先生に提出する。


「包茎? この絵はそのときに描いた絵ですか?」


「そうです。ネコちゃん……蟻塚ありづかさんが描いた絵です」


「たしかに、そうみたいですね。これが包茎です」


 子守先生は、ネネコの描いた象のようにも見えるその絵を見て、結論を述べた。


「ボクの弟のもこんなだったけど、これだとダメなの?」


「まだ小学生でしたら何も問題ありません。高校生であれば、元気になったときに亀さんが頭を出せば心配はいりませんが、象さんのままなら病気かもしれません」


「えっ? …………あぁ……ポロリのせいだぁ……」


 子守先生の話を真剣に聞いていたポロリが息をのみ、一言そうつぶやくと目から涙をポロポロとこぼし始める。


「あれ? ロリ、どうかしたの? 何で泣いてるの?」


「ポロリは、なにもしらなかったんさ。ごめんなぁ。おにちゃん、ごめんなぁ」


鬼灯ほおずきさん、大丈夫ですか? 落ち着いて」


「ポロリ、おにちゃんにひでえこといっちったんさぁ。ポロリのせいだぁ……ごめんなぁ。おにちゃん、ごめんな……うわ~~~ん」


「ロリのせいじゃないよ。ボクだって知らなかったんだし」


 ポロリの様子を見て、ネネコも気を落とす。そんな2人を励ますかのように、ミユキは3人の代表者として子守先生に質問をする。


「子守先生、私たちに何か出来ることはありませんか? 甘井さんの為に」


 子守先生はしばらく間をおいてから、ミユキに指示を出す。


「そうですか……それなら、天ノ川さん、まず綺麗きれいに手を洗って来て下さい」


「はい」


 ミユキは子守先生に言われた通り洗面所に向かい、手を洗い始めた。


「その間に蟻塚さんと鬼灯さんは、甘井さんの下の服を脱がせてあげてください」


「はい、分かりました。ほら、ロリも手伝って!」

「うん」


 ネネコがミチノリのベルトの留め金と制服のズボンのボタンを外し、ミチノリの腰を両手で少しだけ持ち上げる。


 ポロリはファスナーを下ろしてから、ミチノリのズボンをゆっくりと脱がせた。

 続いてグレーのボクサーパンツに手を掛けて、子守先生の指示を仰ぐ。


「甘井さんのプライバシーに関わりますから、この部屋の中だけの秘密ですよ」


「ネコちゃん、ぜったいにナイショだよ!」

「そんなの、分かってるよ」


 ポロリはネネコに念を押してから、ミチノリのパンツを両手でそっと下げた。




「なるほど……それでは、1年生の2人も手を綺麗に洗って来てください」

「はい。行ご、ネコちゃん」(←注釈「行こう」の地元方言)


 ミチノリの患部を確認した子守先生が2人に指示を出し、2人はそれに従う。


「天ノ川さん。この部屋にウェットティッシュはありますか?」

「はい。私の使っているものでよろしければ、こちらに」


「では、それを使わせてもらってもいいですか?」

「はい。かまいません」


 ミユキがウェットティッシュを用意している間に、ポロリとネネコは手を綺麗に洗い終えて戻ってきた。


「1年生の2人も準備はいいですか?」

「はい。手を綺麗に洗ってきました」


「――では、始めましょう。あなたがたは近いうちに育児や介護を学びますが、その練習だと思って下さい。看護も育児も介護も基本は同じです。相手の事を考え、恥ずかしがらずにケアをしてあげてください。


 今から甘井さんにしてあげる事は、成長の手助けです。つまり、抜けそうな子供の歯をお母さんが抜いてあげるのと同じような事です。決してやましい事ではありません」


「はい。分かりました」


 ミユキが答えると、1年生の2人は真剣な表情のまま、無言で頷く。


「天ノ川さんが代表です。1年生の2人は天ノ川さんを補佐してください。

 責任は私が取りますが、他言は無用です。覚悟はできていますか?」


「はい」


「では、天ノ川さん、ここの先のほうを軽くつまんで持ち上げてください」


 子守先生がミチノリの患部を指差す。ミユキが指示に従う。


「分かりました。こうですか」


「はい。そのままゆっくり根元に向かって指を下ろしていってください」


「あっ!」

「おおっ!」


 ミユキが患部の先端をつまんだまま指を下ろすと、包皮の中から白い芽のようなものが顔を出した。じっと見守っていたポロリとネネコは思わず声を上げる。


「見えましたね。亀さんの頭。亀の頭で亀頭といいます。色が白いのはあかで汚れているからです。皮をめくって押さえたまま、ウェットティッシュで汚れをきとってあげてください」


「私はこのまま押さえていますから……鬼灯さん、願いします」

「はい。ポロリが綺麗にします」


「デリケートな部分ですから、やさしく拭いてあげてください。天ノ川さん、もう少し下までけませんか? ゆっくり剥いてみてください」


「はい」


 ポロリが先端を拭き始めると、それに反応するように患部が肥大する。


 ミユキの指でつままれていた患部は、体積と硬度を増すとともに鋭角に角度を変え、するりとミユキの手から離れてしまった。


「きゃっ! す、すみません。急に大きくなったので驚いてしまいまして……」


「手を離すと皮が戻ってしまうようですね。でも、あと少しです」


「おおっ! すげーな! おへそまで届きそうじゃん!」

「ええっ? すごーい! こんなに腫れちゃって、痛くないのかなぁ?」


 肥大化した患部は、しおれていた時の倍以上。

 長さも太さも倍以上なら、その体積は8倍以上だ。


 初めて見る神秘的な光景に1年生の2人は目を輝かせ、驚きの声を上げた。

 ミユキは患部をじっと見つめたまま、ほおを少し赤く染めて黙り込んでいる。


 そして、子守先生は感情を全く外に出さずに、淡々とその現象を解説する。


「これが勃起ぼっきです。天ノ川さんは1年生の時に保健の授業で習いましたね。

 1年生の2人もすぐに教わります。健康な証拠ですから、何も心配ありません」


「お姉さま、今度はボクがやります」

「そ、そうですね。ここからは、ネネコさんにお願いします」


 ネネコは犬歯の先を見せるようにニヤリと笑うと、ミユキの代役を申し出た。

 ミユキは、少し戸惑いながらも、ネネコを後任として認め、場所を譲る。


「かめさんのあたまが全部でればいいんでしょ? ――うりゃ!」


 引き継いだネネコが大胆に患部を両手で握り、力を入れて下に引くと、隠れていた先端部分は全て外気にさらされた。


「わー、かめさんのあたま、全部出たよ!」


 ポロリもそれを確認し、嬉しそうな声を出している。


「蟻塚さん、手を放してみてください」


「あれ? 戻らないや。これでいいの?」


上手うまくいったみたいですね。めつけている事もなさそうですから、あとは白いところを綺麗に拭いてあげてください」


「はい。ポロリが綺麗にします。よかったぁ、お兄ちゃんが病気じゃなくて」


「じゃあ、あとはロリにまかせた」

「うんっ! ネコちゃんありがとう!」


 こうして、本人が眠っている間に、ケアは無事成功した。

 ミチノリは元気な下半身を保ったまま、ぐっすりと眠っていたのだった。

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