この生徒≪ビッチ≫に脅迫されています

作者 強炭酸/汰宰優

70

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★★★ Excellent!!!

 主人公の唐島は熱血教師と対極の立場にいる、いわゆるサラリーマン教師。そんな彼は一般生徒から空気扱いされていたが、新田蘭香に脅迫されて恋人契約させられてしまう。新田は天真爛漫でとても可愛らしい女の子。そんな女の子がぐいぐいと攻めてくる訳なので、もうドキドキが止まらない。読者諸氏は『そんなことってある?』と心のどこかで自問自答しながらも、いつしかそれを現実と受け止め主人公の唐島に感情移入し始めることだろう。それほどまでに、新田の仕草や台詞が可愛らしいのだ。

 嫌よ嫌よ言いながらもその状況を楽しむ唐島だが、彼には教え子との禁断の関係をもってしまったことが世間にバレると社会的に抹殺されかねないという足枷がある。二人の関係は最初からトップギアに入ってはいるものの、やはりそこはラブコメ作品。付かず離れずの微妙な距離感で前半は進んでいく。

 まるで作者と主人公が二人三脚でスリルを味わっているような、そんな印象のあるこの作品は、中盤からミステリー要素が加わっていくことになる。ヒロインの新田がピンチに陥り、それを主人公の唐島が救い出そうとする王道の展開へと突入していく。ヒロインを食ってしまうほどの魅力をもつ生徒会長や謎多き新聞部の女の子も加わって、物語はたった一つの真実へ向かって加速していく。

 さあ、冒頭のとんでも展開をフィクションとして楽しめるそこの貴方。ボクと一緒にこの魅力あふれる作品の虜になってみませんか? なお、ボク自身は冒頭の場面が一番の大好物……げふんげふん、誰かが来たようだ。

Good!

 最強から始まるエンターテインメントの形があるならば、恋愛も最終段階から始まるものがあっていい――それが、最初に覚えた読後感は、それでした。

 キャッチコピー通りの展開が、第一話から繰り広げられます。

 しかし他ジャンルの無双と違うところは、恋愛はクライマックスから始まったとしても、登場人物が全てを超越したチート能力など持たない点です。

 苦難、苦境、ありとあらゆる厄介事が舞い込み、ストーリーは単なるドタバタ劇ではなくなります。

 重苦しい事件が起きますが、そこをメタフィクションを交えた軽い文体で書き、読者に深刻なストレスを与えないのが本作です。

 恋愛は思い通りにならないけれど、まぁ、それでもいいか――そんな軽快な気持ちが抱ける読後感です!