第40話 11-2クロという青年
少女は上がる息を抑え、椅子の上に立つ。手にした縄は部屋中央に渡った梁に括り付けられ、黄色と黒の蛍光色が目に焼き付いた。
「はぁ……はぁ……」
少女は数十分、縄を見つめ涙を零していた。
自分で決めた事とは言え、その一歩が踏み出せない。
「…………」
諦めた目で、ちらりとパソコンの画面を見る。そこには、いつも通り軽快な口調で喋るアウルのゲーム画面が表示されていた。次々に白いコメントが浮かび、消えていく。
「うっ……」
また一つ涙を零し、少女は息を止め、椅子から降りた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます