第7話 3-2ようこそフローワールド
ようやく解放されたスオウは、疲労を吐き出すかのように溜息を吐いて席を立った。
時刻は夜十時を回った頃。気づけば今朝からコーヒーとエナジードリンク以外、何も口にしていなかった。そう気づいたと同時に、胃がぐるぐると唸り空腹を訴えかけてくる。
「さすがに何か食べるか……」
広いマンションの一室で、軽く背伸びをして体を捻る。節々が軽い音を立てた。
財布と鍵を手に取り、部屋着のまま外へ出る。エレベーターはすぐに到着して、スオウを地下の駐車場まで運んだ。
正直なところ、アウルの事が気がかりだった。デバッグをやらせたのはスオウだが、果たして上手くいくのかスオウにもわからない。きっとアウルなら、目的を果たしてくれるだろうと思っているものの、そんなに上手く事が運ぶかどうかは未知数だった。
スオウにしてみれば、不確定である以上最後まで気が抜けないとも思っていた。
「ま、方法は色々考えてあるし、なんとかなるだろう……なんとかしなきゃな」
車に乗り込み、夜の住宅街を走り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます