巻末おまけ

かんたん用語解説(微ネタバレ有り・スマホ非推奨)

「あれ? この用語なんだっけ?」と思い出せない時のために……。


 本頁の主旨上、物語の核心部分を避けて記述しておりますが、多分にネタバレを含みます。その旨を予めご留意の上でご覧ください。

 また、本項は基本的には本編記述の要約です。偶におかしなことを書いておりますが気にしないでください。


 ※本項投稿後も思いついたらちょいちょい更新すると思います。



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 番号順になっております。お手数ですが手動でご入用の項目まで飛ばしてください。


❶【人物編】❷【組織編】❸【メカニック編】

❹【超常知性構造体】❺【その他用語】

❻【物語開始までの時系列】❼【備考】


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❶【人物編】


《超研対一課第五ヘパイストス》


*イオ・ミナミ/異重力分析官

 物語の主人公。良く言えば普通の女の子、悪く言えば粗忽なお姉さん。二十三歳女性。

 双子の弟達の学費を稼ぐ為にOLを辞めて「異重力分析官」の職を選ぶ。十年前に火災によるビルの崩落事故で両親を亡くし、右脚には事故の後遺症からアシスト付き下肢装具を装着している。

 大雑把な性格で短絡的、すぐ怒るし、すぐ泣く。好物はチーズ鱈。子どもの頃は駄菓子っ子。重度のブラコンでベッド下には薄い本を隠し持つ。

 おっさん臭さと貧●がコンプレックス。ショートボブの自身については「割とイケている」と自賛。



*ヒト・クロガネ/NERVES、二号機アーメイドガンナー

 物語のヒロイン?。イオのパートナーで調整クローンの少年。痩せ型で短髪の十七歳。

 寡黙でクールな性格だが、イオ曰く「無愛想で無神経で根暗」。他にも「朴念人、マグロ、地蔵、ドM、童●」など浴びせられた罵詈雑言は数知れず〈イオちゃん……〉。

 ある理由で右腕だけ全体に隙間なく包帯をしている。ヘパイストスはおろか、超研対一課の中でもとびきりの戦闘センスを持つ。アーメイドの改造癖がある。リコにだけは優しい。



*エリック・シャーウッド/異重力分析官

 イオの父の研究室の元助手、イオとは昔からの顔馴染み。三十二歳男性。

 無精髭で猫背、如何にも研究者然とした風貌で少し頼りなさげ。八年前のある事件で婚約者を失くしているが、その件が動機となってヘパイストスに乗船している。

 イオには異重力分析官の存在を教えてしまった責任を感じていて保護者意識がある。本人は「お兄さん」のつもりだが、イオ曰く「エリックおじさん」。



*セリ・トドロキ/NERVES、一号機アーメイドガンナー

 エリックのパートナーで調整クローンの少女。モデルのように美しい十九歳。

 気ままで奔放、思ったことはすぐ口にしてしまう性格。匂いフェチでオフタイムは裸族。NERVESの中では年長もあって、他の二人には常に姉貴風を吹かしている。本作第二のお姉さん。

 翌年にガンナー引退を控えており、ややアンニュイな一面も。



*ニュクス・ジョーンズ/異重力分析官

 ブロンドの巻き毛に褐色の肌、大柄、筋肉質でグラマラス。二十七歳女性。

 アーメイドチームの中では一番大人な〈エリックは?〉お母さんポジ。一年前まではセリのパートナーだったが、現在はリコと交代している。彼女とは秘密の関係。

 イオ曰く「格ゲーのキャラ」。超研対ヨコスカ基地の外では「狂犬」の二つ名。



*リコ・カシワギ/NERVES、三号機アーメイドガンナー

 ニュクスのパートナーで調整クローンの少女。舌足らずでおっとり口調な十五歳。

 低身長でショートウルフ。ヘアスタイルを真似するほどヒトのことが大好きだが、いつもそれを出汁にセリに揶揄われている。イオ曰く「包んで持って帰ってしまいたいほど可愛い」。



*ジェイムス・アンダーソン/主任作戦統制官、ヘパイストス艦長

 短い髪は白く顔に深い皺を刻んだ老人だが、背筋が通った姿勢と温和な表情を持つ元軍人。

 二十年の大災厄「トーキョーロスト」の関係者で「ある勢力」の対抗組織「名も無き賢者」の一人。事態の核心を知る人物。



*ミハル・クライトン/作戦統制官、ヘパイストス副艦長

 鎖付き眼鏡がトレードマークで「鬼軍曹」のあだ名を持つ、緩いヘパイストスのお目付け役。

 家族が居る四十代のご婦人。超研対一課第四アストレアのハワード・コリンズ艦長は実父にあたる。



*テルツグ・ヒライ/機関統制官

 ブリッジクルーの一人。一見バンドマン風のおじさん。年齢不詳の男性。

 主に演算思考体ヘピイATiおよび機関運用管理担当。個人的趣味でアーメイド関係の整備にも首を突っ込んでいる。恐らく本作で一番喋ってる人。〈主に雑談〉

 キング・クリムゾンは「RED」までしか認めない。ワイシャツの下に着ているのは「宮殿」のTシャツ。〈裏設定?〉



*エド・ブルーワー/兵装統制官

 ブリッジクルーの一人。アフリカ系アメリカ人だが、ニセ外人はキャラ作り。三十二歳男性。

 主にヘパイストス兵装システムおよび兵器運用管理担当。ヒライ曰く「オモシロガイジン枠」。アーメイドの演算思考体に関わる管理はヒライに丸投げしている。リコをアイドル視するロリコン。



*アレサ・ケイ/哨戒管理官

 ブリッジクルーの一人。お嬢様系の可憐な見掛けとは裏腹に柄の悪いオペ子。二十六歳女性。

 主にレーダー、スキャナ等の哨戒装備、偵察ドローン運用管理担当。お金持ち大好きで玉の輿を狙っているが、それは建前上の話。



*リウ・ロン/医療管理官、メディカル・ドクター

 ヘパイストス内の医者。壮年の男性。メディカルルーム内のBGMに自身の趣味のピアノ曲を流す。ヘパイストス食堂で月一回自慢の料理の腕を振るう。自虐ギャグを好む。



《超研対一課第四ペルセウスウィル》


*エルザ〈エル〉・エマーソン/異重力分析官

 黒髪に黒縁眼鏡。何もないところで転ぶのが特技。感情の起伏が激しい。いわゆる天然でドジっ子の割に豊かなバストがイオには少し気に入らない。第七、八話のみ登場。



*カイ・ソヤギミ/NERVES、一号機アーメイドガンナー

 エルのパートナーで調整クローンの少年。一課第四のエース。ある理由によりヒトに確執がある。少々捻くれているが、エルには頭が上がらない。第七、八話のみ登場。



《超研対一課第二アストレア》


*アルヴィナ〈アルヴィー〉・ブレインズ/医療管理官、メディカル・ドクター

 エリックの婚約者で同じくイオの父の元助手。八年前のある事件により行方不明。アダム・ブレインズの養女で、旧姓アルヴィナ・イリイニチナ・カレリナが示す通りロシア人。本作第三のお姉さん。



*ハワード・コリンズ/アストレア艦長

 アンダーソンの元上官であり、同じく「名も無き賢者」の一人。本作では名前しか登場しないが、クライトンの実父。



《イ重力研究科学局〈イ重研〉》


*アダム・ブレインズ

 イ重研の役職は開発統括責任者だが、役員クラスの重役。そして「名も無き賢者」のパトロン。

 長髪にフレームレスの眼鏡で、肩書き通りの開発者には見えない若々しい風貌。アンダーソンと同年代で同じく事態の核心を知るが、掴み所がない謎めいた人物。

 跳躍弾頭の開発とシュペール・ラグナ建造において、ロベルト・ハスラーとの取引窓口でもある。



《エプシロン・テクノロジー》


*ロベルト・ハスラー

 エプシロンの最高経営責任者。痩せ細った身体に車椅子を常用するほど足腰が弱っているが、その蝋人形のような印象とは裏腹に、非常に胆力に満ちた思考と口調を持つ老獪。「融合派」の主導者。



*トオイ・イブキ

 ハスラーを公私共に支える秘書。二十四歳の女性。元NERVESで過去に超研対一課第三テーセウスに所属。高い知性と大人の色気を併せ持つ、本作最強のお姉さん。〈その説明居る?〉



*ミナミ・サブロウ

 イオの実父。医科系の大学にて研究職に就いていたが、十年前のビル崩落事故で偶然イオと共に現場に居合わせ死亡。エリックとアルヴィーはミナミ研究室の学生で助手だった。





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❷【組織編】


*東アジア相互防衛条約機構

 メタストラクチャーの脅威から人類生存圏防衛を目的に設立された組織。日本を含む東アジア諸国からの委任を受け、民間企業であるATi開発企業体エプシロン・テクノロジーが主導し、限定特殊自衛隊とイカロス・インダストリーの協力によって成り立っている。

 その内訳は、実行組織である通称〈超研対〉、開発組織である通称〈イ重研〉の二局によって構成されている。



*超常知性構造体研究対策局 通称〈超研対〉

 東アジア相互防衛条約機構の実行組織。本作の舞台となる超研対一課第五ヘパイストスの上位組織である。因みに一課は第九まで存在し、太平洋側から襲来するメタストラクチャーのほぼ全てに対応する都合から、東アジア方面内陸部の二課〜五課より組織が細分化されている。



*超研対一課第五ヘパイストス〈アーメイド専用揚陸艦〉

 本作の舞台。白をベースに淡いグレイの太いラインと青・黄緑・黄の細い三本のラインのストライプがシンボルカラー。主に関東圏西沿岸部、静岡県〜東京湾までを担当防衛範囲とする。

 元々は兵器試験・開発実験などを行う非戦闘艦だったが、八年前に消失した一課第四アストレアの後釜として急遽実行組織に組み入れられた。

 その為、クレーンなど試験用の設備を撤去した関係で、艦表面には随所に余計な凹凸が散見される。ハスラー曰く「みすぼらしい艦」。

 ギリシャ神話の鍛治の神にあやかった艦名だが、皮肉にも外観的特徴までも言い表している。

 


*超研対一課第四ペルセウスウィル〈アーメイド専用揚陸艦〉

 カイとエルが所属する。ライトオレンジとマットブラックのツートンがシンボルカラー。

 主に東海地方沿岸部、三重県〜静岡県までを担当防衛範囲とする。本拠地は名古屋。



*超研対一課第三テーセウス〈アーメイド専用揚陸艦〉

 第一話冒頭で登場。ターコイズブルーがシンボルカラー。過去にトオイが所属していた組織。トオイ引退後、テーセウスはほぼ男だらけの艦になってしまったので、同艦クルーはヘパイストスが羨ましい。〈幻の三・五話用の没設定〉

 主に関東圏東沿岸部、東京湾〜茨城県までを担当防衛範囲とする。



*超研対一課第二アストレア〈アーメイド専用揚陸艦〉

 八年前のメタストラクチャー対応でメタスクイドと交戦中に消失した。

 ヘパイストスと同じく白をベースに水色のピンストライプがシンボルカラー。



*イ重力研究科学局 通称〈イ重研〉

 東アジア相互防衛条約機構の開発組織。メタストラクチャー対応の核心技術である異重力位相変換弾頭の研究開発、および異重力分析官の育成が主な役割である。

 イ重研は元々はイカロス・インダストリー傘下の「イカロス粒子重力干渉技術研究所」をそのまま接収した組織であるため、シュペール・ラグナ建造もブレインズを経由してイカロスが請け負ったものである。要するにイ重研 ≒ イカロスであり、イ重研本部はイカロスの横浜支社でもある。



*イカロス・インダストリー

 兵庫県明石市市に本拠を構え、重力制御重機の開発・製造を担う。エプシロンに次ぐ巨大企業。超研対の艦船やアーメイドの製造も行っている。本作には登場しないがCIカラーはライムグリーン。〈カ●サキか……〉



*エプシロン・テクノロジー

 かつての演算思考体開発の先端を往く巨大グローバル企業体。ATiワールドオーダー以降は演算思考体とその端末の製造・販売。そして東アジア相互防衛条約機構の設立を主導し、その中枢であるホスト演算思考体エプシロン・フェーズv10を擁する。

 作中における演算思考体の世界シェアの九割を握る。〈残り一割もほぼエプシロンのOEM〉



*ニュークシー

 総合医療機器メーカー。ナノマシンによる身体管理システム「ニューメディカ」開発、そして調整クローン「NERVES」の事実上の「製造」と養成を担う。メタストラクチャー襲来の前年に買収され、作中ではエプシロン・テクノロジー傘下。



*タウ・ディベロップメント〈タウD〉

 アメリカのデトロイト、ロシアのモスクワ、日本の東京と世界三箇所に拠点を構えるナノマシン開発企業。だが、二十年前の大災厄「トーキョーロスト」の発生原因に近く、その責を負って全社解体されてしまっている。



*名も無き賢者

 東京都に拠点を置き、「ある勢力」に対抗することを目的に集った組織。だが、構成員の殆どが互いに顔を知らない分散した個人の集合である。





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❸【メカニック編】※主役メカは解説多めです。


*高速狙撃機動兵器AMD171アーメイド/AMD176アーメイドプラス

 対メタストラクチャー戦術兵器アンチグラヴィテッドを運用の旨とする重力制御の機動兵器。

 機体コントロールと狙撃をアーメイドガンナー、異重力収束点の観測を異重力分析官で行うため、コクピットは複座型である。全高は本体下のイ重力制御エンジン屈伸時で十二メートル、伸長時で二十メートルにも達する。

『人魚』を連想する姿から『Armed〈武装〉 + Mermaid 〈人魚〉』を略して名付けられたアーメイドだが、イオ曰く「人魚と言うよりロブスター」とのこと。

 メタストラクチャーは視覚を持たないと推測されている為、カラーリングはバラエティに富んでおり、見た目は機動兵器と言うより競技航空機のそれである。

 要するに「重力制御で飛行する腕付き戦闘ヘリ」〈ほらそこ、ロボじゃないって言わない〉。


 本編後半に登場するAMD176〈イナロク〉はAMD171〈イナイチ〉の後継機で、基本性能が大幅に向上している。本体下部のイ重力制御エンジンが二基に増えた代わりに小型化されており、さながら「ゲームに登場するスーパーロボット」。


「ジュラミック積層装甲に覆われた翼断面T字型の本体を持ち、下部に巨大な逆三角錐形状のイ重力制御エンジン、本体両翼に多関節アームを介した磁界殻密封型プラズマガン、及び高周波振動ブレード。そしてコクピット右側には最重要戦術兵器アンチグラヴィテッド、その専用電磁レールガンを備える。〈本文より抜粋〉」



*異重力位相変換弾頭〈アンチグラヴィテッド〉

 メタストラクチャーが持つ絶対不可視の盾、時空歪曲防壁〈IVシールド〉を消失させる、作中時点で最も高効率且つ最良の重力兵器。

 だが、個別に異重力分析官による観測・調律が〈セッティング〉必要なため、その運用手順は容易ではない。因みにセリ曰く一発のお値段は「一億円」。恐らく税別。

 アーメイドコクピットの右側に取り付けられた専用電磁レールガンから、砲弾運動エネルギー約六十メガジュールの射出速度で撃ち出される。

 IVシールドの超重力循環が最も脆弱な部分である「異重力収束点」、即ち「盾に空いた穴」〈厳密には穴ではないが〉に撃ち込み、異重力位相を反転させてシールド解除を可能にする。


「つまり、IVシールドを消失させるアンチグラヴィテッド狙撃は、『知覚共有による収束点観測』と『ガンナーによる精密狙撃』、そして『分析官による弾頭調律』、この三条件が揃わなければ、成り立たない手段なのだ。〈本文より抜粋〉」



*磁界殻密封型プラズマガン〈プラズマガン〉

 高密度プラズマを磁界殻と呼ばれる粒子容器に封入し、プラズマの持つ超高熱により対象を破壊する。連射速度五千発/分、有効射程およそ千二百メートルの対メタスクイド熱破壊兵器。



*高周波振動ブレード〈バイブレード〉

 プラズマガン側面に平行逆さ向き〈刃先を後ろに向けている〉で装着され、使用時は刀身を百八十度回転し、蟷螂のような形態になる。刀身の高周波超振動により対象を切断する格闘戦用兵器。



*思考装甲

 アーメイドコクピットの左側、専用ケースに収納されている六枚一組のドローン装甲。使用時はアーメイドの周りを高速旋回し、主にメタスクイドの銛状触手から守る自律する盾。



*神経接続システム

 アーメイド管制システムからニューメディカを介して主に運動神経組織に接続し、ガンナーの意思に忠実な精密動作を実現するアーメイド同期操縦装置。だが、帰還作用〈フィードバック〉による人体に掛かる負荷が大きく、システム継続制限が十五分と定められている。



*知覚共有システム

 神経接続と同じくアーメイド管制システムからニューメディカを介して主に知覚神経組織に接続する。異重力分析官の特殊能力「異重力知覚」をガンナーに転送し、一時的に同能力の共有を可能にした装置。イオ曰く「異重力知覚を貸している」状態。

 ガンナーにとって神経接続は入・出力だが、こちらは入力のみのため負荷はほぼない。だが、共有する個人によっては、お互いの知覚や意識に何らかの干渉作用がある。



*加速スラスター

 イ重力制御エンジンによる浮遊・推進力では足りない加速力を補うための固形燃料式補助推進装置。ジェットエンジンではない。アーメイドの本体背面に一基装備され、推力偏向ノズルが備わる。爆音のため、もの凄く近所迷惑。〈えっ〉



*狙撃軌道

 時空歪曲防壁IVシールドの異重力収束点、即ち「盾に空いた穴」は定移動しており、アンチグラヴィテッド狙撃のための最適な周回飛行ラインを狙撃軌道と呼ぶ。

 狙撃軌道上ではアンチグラヴィテッドの調律を優先するため、一切の加減速を停止して固定周回を行う。その際、外敵に対して無防備になることから僚機の後方援護が必須となる。



*対メタストラクチャー限定出力可変核弾頭〈限定可変核〉

 ミューオン触媒核融合型純粋核を搭載した出力可変型の戦術核ミサイル。ヘパイストス艦後部のミサイルスロットより発射される。

 アーメイドによるアンチグラヴィテッド狙撃によりIVシールドを解除した後、演算思考体が設定した適切な熱出力によってメタストラクチャーを破壊する。

 民間使用のため、用途に厳しく制限が加えられており、メタストラクチャー以外への使用は懲戒処分を超える処罰が取り決められている。



*自律起動型強襲揚陸艦シュペール・ラグナ

 ロベルト・ハスラーの要請によりイカロス・インダストリーにて建造中の完全自律起動のロボット艦。ヘパイストスよりふた回りほど大きく、艦全体がワインレッドで塗装されている。

 演算思考体単独の自律起動はATiワールドオーダーの規制に抵触するが、法改正を促すテストベッドとして建造されているため、演算思考体は未搭載である。



*高速狙撃機動兵器AMD176改〈自律アーメイド〉

 一次使用者が存在しない違法状態のアーメイド。メインカメラとコクピットが省かれ、シュペール・ラグナと同じくワインレッドで全体が塗装されている。



*跳躍弾頭

 超空間接続によってIVシールドを飛び越える対メタストラクチャー直接打撃の総称。

 アンチグラヴィテッドに代わるものとして、シュペール・ラグナと同じくハスラーからの要請によりイ重研で開発が進められているが、超空間接続における誤差問題が解決できず、物語開始時点で完成の目処は立ってない。





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❹【超常知性構造体】


*超常知性構造体〈メタストラクチャー〉

 物語開始より十五年前、突如外宇宙より襲来した人類の脅威。地表にある全ての生命体を飲み込み、生物とも人工物ともつかない漆黒の巨体は全長が数百メートルにも及ぶ。文字通り「骨」に似た骨格が幾重にも組み重なる複雑な形状を持つ。

 自己防衛手段として時空歪曲防壁IVシールド、保守防衛装置メタスクイド、そして自閉形態と呼ばれる完全防御モードがある。



*時空歪曲防壁〈IVシールド〉

 強大な重力干渉により時空を歪め、通常兵器の一切を無効化する不可視の盾。それにより人類はアンチグラヴィテッドが開発される三年後まで苦しめられることになる。

 IVシールドによって蜃気楼のように像が歪曲する現象を「像の揺らぎ」と呼ぶ。また、像が揺らぐことによってあらゆる観測機器でも正確なサイズを測ることができず、誘導兵器の有用性を下げる一因にもなっている。



*自閉形態

 IVシールドを完全展開し、自らを歪めた空間に丸ごと没してしまう状態。外からは通常視認ができなくなり、またメタストラクチャー自身も何もすることができない。

 異重力分析官は存在の感知こそ可能だが、異重力収束点も消失状態になるのでアンチグラヴィテッド狙撃も不可能となる。



*超常の烏賊〈メタスクイド〉

 全長およそ三十メートル〈本体部分のみ〉、長く鋭い三角錐状の黒々とした胴体に、六本の『銛状触手』と呼ばれる遠隔攻撃の手段を持つメタストラクチャー唯一の保守防衛装置。

 イカに似た姿形から『超常の烏賊』、通称〈メタスクイド〉と呼ばれている。最初の出現から四年ごとに進化しておりA型から順に作中ではC型、D型が登場する。



*超空間接続ゲート〈リングメタストラクチャー〉

 メタストラクチャー地球侵攻中継拠点。超空間接続状態を恒常的に維持する言わば「門」。その名の通りリング状のメタストラクチャーで全長は目視サイズでおよそ三キロメートルに及ぶ。

 場所は月の裏側、ダイダロス・クレーター。





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❺【その他用語】


*演算思考体 Arithmetic Think Intelligence 通称〈ATi〉

 従来の人工知能に『閃き』を実装し、限りなく人に近い柔軟な思考能力を持つことから呼び名が変わったもの。「自由意志」と「感情」が加われば「ほぼ人間」である。

 二十年前の「トーキョーロスト」が原因で運用に厳しい法規制が敷かれており、新規開発は事実上凍結され、既存のバージョンアップは禁じられている。

 因みに作中世界での最高位の段階はフェーズv10である。



*拡張演算思考体エプシロン・フェーズv11〈イレブン〉

 本来なら存在しないはずの十一段階目の演算思考体。〈記述が少ないのは察してください〉



*トーキョーロスト

 二一一一年、某日深夜。暴走した演算思考体のハッキングによって発射された長距離核ミサイル三発の内一発が東京に直撃し、千代田区を中心に半径およそ十キロメートル圏内が一夜にして消失した人類史上最悪の大規模ATi暴走事件の通称。犠牲者数は行方不明も含め六百万人を超える。



*ATiワールドオーダー ATi operation world order

 トーキョーロスト発生後に急遽施行された演算思考体の運用を厳しく制限する国際条約、並びに法規制の総称。規制は開発・改良・更新の禁止、運用基準の厳格化、製造許可の審査など多岐に渡る。

 つまり、人類はこの法規制実施時点で演算思考体の可能性を全て捨てたのである。



*異重力/イ重力

 何らかの干渉原理によって特性が変異した重力の総称。/人類のイカロス粒子発見によって得られた重力干渉技術により発生させた変異重力の呼称。



*異重力知覚

 イカロス粒子が発見された当時に再発見された知覚。それまでは「霊感」と呼ばれてオカルト扱いされていたもので、重力異常を視覚的に感知する能力のこと。

 エリック曰く「元々誰にでも備わっていて、絵を描くとか速く走るとかそういった才能と同じ。人によって強いか弱いかだけ」

 この異重力知覚が強い人材にメタストラクチャー対策教育と訓練を施し、資格化して任官したのが異重力分析官である。手当てを含めると民間で言うシニアマネジャークラスの給与が手に入る。イオが金に目が眩んだ理由。〈余計〉



*イ重力制御エンジン

 イカロス粒子重力干渉技術によって可能となった重力制御による推進装置の総称。エンジン先端部分、変異重力拡散ノズルを支点に白く発光する光輪が現れるのが特徴。



*超空間接続

 重力制御実現によって副次的に獲得した空間跳躍技術。但し膨大なエネルギー消費と跳躍先で発生する誤差問題が解消せず、作中時点ではまだ実用にはほど遠い状況。



*ニューメディカ

 エプシロン傘下の総合医療機器メーカーであるニュークシーが開発・製造しているナノマシン身体管理システムの名称。日々の健康管理は元より、頭痛・発熱などの症状緩和や外傷の治癒補助など効果は多岐に渡る。簡易の心肺蘇生機能も備わる。

 そのニューメディカの外部管理診断ポートがNDポートである。直径二センチ程度の丸い三角形のプレートで取り付け位置は個人により異なる。



*NERVES〈ナーヴス〉

 ニューメディカを開発したニュークシーが事実上の「製造」と養成を手掛ける調整クローン。

 高速狙撃機動兵器アーメイドに乗り、その超人的技能と神経改造により、航空速度からの精密狙撃を可能とする、言わば戦うために作られた子ども達。

 淡いブラウンの瞳と髪、そして額に位置するNDポートがナーヴス共通の外観的特徴。





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❻【物語開始までの時系列】※スマホ非推奨


*二〇九七年 フューズド計画発足

・2099 アルヴィー誕生


*二一〇二年 人類が超空間接続に成功


*二一〇五年 超常知性構造体を観測、秘密裏にナーヴス計画発足

・2108 イオ誕生 サブロウ28歳


*二一一一年 ATi暴走事件トーキョーロスト勃発

・2111 サブロウ31歳エプシロン退職、ニューメディカ付属医科大学へ。

・2112 セラ誕生 〈ナーヴス第七期〉

・2114 ヒト誕生 〈ナーヴス第九期〉

・2115 アルヴィー16歳ニューメディカ付属医科大学入学


*二一一六年 超常知性構造体メタストラクチャー襲来

・2116 リコ誕生 〈ナーヴス第十一期〉


*二一一九年 第一世代アーメイドAMD043、ナーヴス第一期実戦投入


*二一二〇年 A型メタスクイド出現、この頃から戦況が膠着し始める

・2121 イオ13歳事故に遭う。サブロウ41歳死亡


*二一二三年 アストレア消失事件。アルヴィー24歳、エリック24歳

・2124 エリック25歳、イ重研入社


*二一二四年 第二世代アーメイドAMD163投入、同年B型メタスクイド出現

・2125 エリック26歳、分析官としてヘパイストス着任

・2126 セラ14歳、ニュクス22歳とヘパイストス着任


*二一二八年 第三世代アーメイドAMD171投入、同年C型メタスクイド出現

・2128 ヒト14歳、ヘパイストス着任

・2128 イオ20歳、イ重研入局。分析官資格取得に三年かかる

・2130 リコ14歳、ヘパイストス着任


……………………………………………………


*二一三一年 物語のスタート。イオ23歳、ヘパイストス着任。

       エリック32歳、ヒト17歳、セラ19歳、リコ15歳、ニュクス27歳


*二一三一年 第四世代アーメイドプラスAMD176投入、同年D型メタスクイド出現





********************



❼【備考】※ここからは作者の雑記となります。


※作中でのネットインフラの扱い〈裏設定〉

 本作ではインターネットの「ネ」の字も出てきませんが、作中世界ではいわゆるテレビなどの放送メディアが終了しており、結果として特に意識して語るものではなくなっています。

 当然プロバイダやネットサーバーもなく、全てのメディアが演算思考体同士のネットワークに置き換わっているという設定。設定として通信規格「PASSS〈パス〉」というものもあったのですが、大して物語に影響しないので登場は見送りました。



※幻の第三・五話

 本作前半において六月だけ何もエピソードがないので、第三話と第四話の間に「男だらけのテーセウス」と「セリの脱ぎ癖」を説明する回を設けようと構想していたのですが、これも物語本筋の何処にも繋がらなかったので見送りました。第四話の水着回でやけにセリを盛っているのはこの所為です。



※物語の今後の構想

 書くとしても当分先になるので、構想だけ簡単に触れておきます。

 本作の一年後、イオは異重力分析官を辞め、僅かに体内に残った〔三番目のイレブン〕の力を借りて世界中の演算思考体の修復に奔走しています。リコはテーセウスに異動し、ヒトは神経接続の後遺症からアーメイドに乗れなくなってしまっているところから物語は始まります。

 メタストラクチャーの襲来は終わり、超研対は四年の猶予期間を以って規模縮小へと向かっていましたが、何故か暴走メタスクイドの出現だけが止まらない。

 人類がこの状況に疑問を持ち始めたところで、死んだはずのある人物がある演算思考体と共に現れて……と、こんな感じです。


 イオ、ヒト、リコはヨコスカ基地近くのマンションに一緒に住んでいて、イオの中の〔三番目のイレブン〕は誰に似たのか物凄くおっさん。そして引退したはずのセリも〈ニュクスと長い喧嘩中〉意外な形で登場するっていう。

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狙撃軌道の子どもたち 永久凍土 @aqtd882225

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