『おっとり馬くん』へのコメントで、自作の競馬小説のキャラとからめたくなりました、とあり、最初にびっくり! 次に楽しみにして、即、ドキドキしながら読みにきました。
作者の@wizard-Tさんとは、私の記憶にある限りそれまで交流はなく(あったらごめんなさい!)、だからこそ、作品がつないだ縁かな?
どんな作品を書く人なのだろう、という興味もあり、読む前から期待と不安が……。
その点で、まっさらな読者ではあり得ないかも知れませんが、私の想像以上に素敵なお話でした。
私の作品自体は、絵本を意識したほのぼのとした優しいお話です。
誰にでも適材適所はあり、そこでダメでも別のところでは大事にされる、というほんわかした作品。
ですが、走らなければ処分される、というサラブレッドの宿命を描いてもいます。引退した競走馬に適材適所を見つけられるのは人間であって、人との出会いや偶然や運が、彼らの命に関わってくる。
競走馬として成功したから、いっぱいレースを走ったから、たくさん賞金を稼いだから……実は、さほど意味はないのかも知れません。
年間七千頭ほど生まれるサラブレッドの中で、乗用馬として生きる道を与えられる幸運な馬は、ほんの一握りです。
その一握りの馬たちにも、それまでの生き様が刻まれている……。
@wizard-Tさんは、馬に詳しい方だと想像します。
主人公の「俺」は、競走馬として頑張って走りぬき、乗馬としても頑張っている、乗馬クラブによくいるタイプ。が、熾烈な生存競争を生き抜いてきたエリートでもあるわけで、自分の生き様に自負もある。
その語りに、作者の馬への愛を感じます。