第一幕 第四章 「『しゅうとく』したもの」
マイルストーン 2
これはこの物語の里程標。
先の書かれていない里程標。
これまでの事を纏めた里程標。
急ぐ人はコレをみるといいかも知れない。
迷った人も、こんがらがった人にも役立つかも知れない。
少しはわかりやすくなるかもしれない。
余計に分からなくなる時もあるかもしれないが。
――
5/31
あの雨の日からおよそ一週間、彼はなんとか意識を取り戻す。そこで担当医のイルミナと、ミーナの兄ヴァイクに出会う。
6/1 ~ 6/3
意識を取り戻したものの回復には深い睡眠が必要で彼は日に三時間も起きていられず起きた時にぼんやりと話をする程度の事しか出来なかった。
6/4
ルカワを完全に回復させる為、ミーナは霊人にしか出来ない術式を彼に施す。それを施す為にミーナは並々ならぬ葛藤と覚悟をし、ルカワもまたそれを感じて覚悟を決め、遂に術式は完全なる形で成功する。
術後に彼は事の顛末をイルミナが知っていると直感し、話をするとその術式がどのようなものであるか、ミーナが何故思い悩んでいたのかを知る。
一つ言える事は「想い」があった故に成功したということだ。
6/5
術式のおかげですっかり良くなったルカワはミーナと共に退院し、ヴァイクのよこした迎えの者に騎士団中央本部へと案内される。そこでルカワは騎士団の長であるドルセンと出会い、ヴァイクも交えて四人で話をする。
ルカワはミーナと共に中央本部敷地内にある家(ミーナの父オーグスが所有していた)に住むのはどうかと言われたのでそうすることに。これが二人の生活の始まりである。
昼食の後、家へと着いた二人は荷物を運び込むなどした後、ルカワは通貨の事を教えてもらい、霊術の練習をすることにした。霊術に関しては精度が上がっておりコントロールもそこそこ出来たのでミーナと少し霊術で遊んだ。
遊びの後、シャワーを浴びた二人はティータイムでゆっくりとし、そこでルカワの霊気量や、ルカワとミーナだけに発生している特別な霊気の繋がりについて話をした。その繋がりには「想い」が関係する。
夕食の時間になると二人はヴァイクを伴って近くのレストランへと赴く。そこまでは普通なのだがどうやらミーナは酒が入ると……
おまけにヴァイクの上司であるフォートが現れ大変な事に。だがこのフォート、現れたのにはちゃんとした理由があった。
散々ハシゴした後、深夜に帰った。
6/6
ミーナより先に目覚めたルカワは玄関先で久しぶりに煙草を呑む。その後ミーナに煙草の香りを父のものと似ていて懐かしく良い香りだと言われる。これより先、ルカワは時々煙草を呑む。
朝食の後、ミーナの中には別の人格があると説明され、昨晩のアレは「酒樽返し」なるミーナの別人格のせいだと言う。二人で意識に潜ってみると確かに居たが、姿かたちは一緒でも中身がまるで違っていて三人で談笑する。
意識の中から戻った後、二人は買い物に出かける。途中で軽食をはさみつつ、生活用品や食材を買い、混雑する前に市場周辺から離れて家路につく。
帰宅の後、ミーナは料理をルカワは文字の勉強をしていたのだが、ルカワのペンが本に弾かれてしまう。しかも何故かルカワには負の思考が巡ってしまうがミーナの助けにより事なきを得る。
夕食の後、ミーナから本について軽く説明を受けたものの彼女にもよく分からないとのことであったが、突然本が開き、「正体を知りたければ研究所蔵書庫まで」とメッセージが記された。
本の事が少し分かった後、入浴の時間となってきてルカワが先に入り、部屋でメモ書きなどをしているとミーナも終わった様で部屋を尋ねてきた。色々を話をした後、彼女はやはり夜が不安で言いようもなく怖い様でルカワと一緒に寝た。
6/7
先に目覚めたのはルカワだったが、幾時間ともしない内にミーナも起き、朝食という段になった。
この日の予定は彼の服を仕立てに行くことで、早めに準備を終わらせ少し遠い場所の仕立て屋がある通りに向かう。着いた頃はまだ通りの店は開いていない所も多かったのでぶらりとしていると変わった骨董品店を見つけ、後で行くことにした。
仕立て屋に着くとそこの主人はオーグスやミーナ、そしてルカワの事をドルセンから聞いていたらしくその話も上がったがミーナの事を考えてルカワは話を切った。仕立てはそこそこと時間もかかったが、丁度いい具合の時間に店を出て、通りのカフェで昼食をとる。
昼食後、骨董品店を尋ねたがその店は変わっていて、「物が人を選ぶ」という商品を扱っていた。ルカワは物書き故かペンなどを見て、気になったペンを手にとってみると選ばれてしまった。それだけでも驚きだが、いざ帰ろうという時にルカワの目の前に棚から大きな箱が落ちてきた。長い間開ける事が出来なかったというそれをルカワは開けられてしまい、不思議な事に大型の回転式拳銃、空薬莢、ガンホルスターが入っている。しかもこの世界では見かけないものらしい。そのセットも貰い受けて家路についた。
家について、またしてもミーナが料理、ルカワは勉強といった所だが、今回手に入れたペンは霊気を流して使うものらしく彼は色々と試していた。それをミーナに見せると、霊気の流れを上手くコントロール出来るのではと言われやってみれば出来てしまった。イメージだけでここまで出来る事にミーナも驚いたらしい。
夕食後、ルカワは新たな術をイメージし、それをミーナに見せて威力を測定してもらったがどうにもどうやってもデコピン以上の威力は無かった。
その後はまた、交代で入浴し、例のごとくミーナはやはり一人では眠れないようでルカワは一緒に寝た。
6/8
この日、ルカワは早くに起きた事もあり朝食を作る事にした。出来栄えは普通も普通である。ミーナと朝食を済ませた後、彼は彼女から不思議な話を聞き、それは彼が無意識に作り出していた自身の一部の複製の事だと知る。これはともすれば危険なものであったがルカワの性格上そうはならない。
その後、二人はまたしても霊術の練習を始めるがこの時彼は昨日編み出した術を使い、ミーナに一勝する。が、少し無理をしていたのか急激に疲れが出、回復の為暫く昼寝をすることになった。この昼寝でルカワは思い出す事が多少はあったらしい。
昼寝の後は買い出しへ出かけ、その道中で麺料理の店に立ち寄り昼食をとり、市場へ向かうとルカワはミーナからお使いを頼まれる。多少は字が読める様になってきた彼はメモにあった物を買いにいったが持ち帰る量が多すぎて困ってしまうもののミーナからアドバイスを受け、お使いをこなした。
帰りの馬車で温泉地の話題を出すとどうやらこの世界にもそれはあるらしく一段落したらいってみようという事に。家に着くと彼は掃除を彼女は料理をし始め、ひとしきり片付いた後、彼は例の拳銃について試してみたい事があると言って彼女に協力してもらう。その結果とは……
実験の後、またしても美味なる夕食を食べ過ぎた彼は食後の一服していると自然な眠気に襲われ、とりあえず風呂の準備をして入ってから早く寝るとした。今回先にミーナに風呂へ入ってもらったのだが、待っている時にルカワは少し眠ってしまい、そこで非常に気味の悪い夢を見、その影響で身体から完全に力が抜けてしまう。ミーナの声で目が覚めたルカワは夢の内容をさっぱり忘れており、何故こんな事になっているのか分からないでいたが、ミーナの処置である程度は回復する。
その後、今回はルカワが夜に耐性が無くなってしまった。
6/9
ルカワが目覚めると彼は拘束術式で動けなくなっていた。ミーナによれば夜中に奇妙かつ危険な行動に出た為、やむを得ず拘束したらしい。これもルカワには記憶が一切ない。
ルカワの事を心配したミーナはイルミナに連絡をし、往診を頼んでいた。診察の結果としては運動機能が一時的に低下しているという事以外全く分からないという事であった。その後、ミーナの計らいでイルミナも交え三人で昼食をとり、あの時の話も少しばかりしているとイルミナは時間がきたので席を外した。
昼食後、ルカワはまたあの悪夢を見る。だがその悪夢に突然、「酒樽返し」と外縁部管理人のミーナが現れ、悪夢に少し封をすると言うのを聞いた直後、彼は眠りから覚める。勿論、これも完全に忘れてしまう。
彼のベッドの傍にはミーナが椅子に座って寝ていた。彼は声をかけ、話を聞くとどうやらヴァイクが夜に来るようだ。ミーナの心境、それが分からないルカワでは無く、かといってどうしてやる事も出来ない彼だが、とにかく彼女の支えになれればと想いを伝える。
彼が彼女にここまでする理由、それは……
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