第344話

「もし、これからも電話をしてくるようなら容赦なく警察へ通報します。宜しいでしょうか……」


『はァ~ー❗❗ 上等だァ~ー❗❗❗

 そっちが娘を誘拐したんだ❗❗

 待ってろよォ~❗ 必ず迎えに行くからなァ~ー❗❗』

 くゥ……、思わずはらわたえくり返った。


 桐山も苦虫を噛み潰したように吐き捨てた。


「どうぞ、ご勝手に…… では失礼」

 通話を切った。私も怒りで顔が歪んでいた。


「うゥ…ン……」よほど腹に据えかねたのだろう。桐山も小さく唸った。

 

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