第61話 表紙って大事

 小説を買うとき、あなたは何を基準に選ぶだろうか?

 私は、ステレオタイプで自分で本屋さんに行き立ち読みをして買う。

 あまりネットの評判とか〇〇大賞とかは気にしない。

 稀にドラマが面白くって小説化になって買うということは昔はあった。


 さて、その中で結構重要な要点だったのが『表紙』だ。

 カバーともいわれる、表の絵だ。


『眠狂四郎』


 時代劇小説である。

 映画化され市川雷蔵をはじめ、様々な当時を代表するスターが主人公、眠狂四郎を演じた。

 漫画にもなっているが、出来るだけ触れないでほしい。


 この小説は著者である柴田錬三郎の代表作である。(詳しくは『暇人の集い 特別編』に書いてあります)

 死後四十年余り。

 表紙は時代とともに変化してきた。

 が。

 実のことをいうと……

 最近の表紙についていけない。

 いや、出版社側の「いい小説を売りたい」という熱意はよくわかる。

 ただ、そのために表紙を漫画調にするのは違うような気がする。


「眠狂四郎」を知らない読者もいるかもしれないので内容を説明しよう。

(例によって物凄くおおざっぱ)

 江戸時代。

 開国直前の江戸は文化も政治も腐敗し堕落していた。

 そこに現れたのは自分の名前を「眠狂四郎」という無頼の男だった。

 

 正義のヒーローの真逆を行く主人公だ。

 気分次第では正義の味方にもなるが、それは後半になってから。

 普通に女性を犯す(犯してから恋をして結果夫婦になるという)し、剣の道なんてストイックな生き方もしてない。


 だから、劇画のような表紙では「何か違う」のだ。


 そういう点では新潮文庫の絵は切り絵っぽくって好きだったなぁ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます