第29話 ワサビは溶くか付けるか?の話

 この『カクヨミ』で初めて書いた『大根について語ろう』で登場した「大根、美味しい」と言って(?)いた作家。

 池波正太郎という作家である。

 時代劇の大家でエッセーも数多く残している。

 好きな作家である。

 好きな理由は『真面目』だからだろうか?

 この人は『グルメ』と称されるが私は違うと思う。

 食べることが好きだったのは事実だとしても、それに依存せず、真面目に考えていたと思う。

『いつか必ず死ぬ人が生きるために他の命を食べる矛盾』

 を徹底して真面目に考えたのだ。


 さて、本題。

 ある番組で自称(なのかな?)グルメのお笑い芸人が「(刺身に)ワサビを醤油で溶くなんてダメ!」と熱弁をふるい周りから批判されたそうだ。


 池波正太郎も実は、このことに言及しているところがある。

 しかし、「ダメ!」とは言わない。

 ただ、「もったいないよ」「意味、あるの?」と語っている。

 相手を頭ごなし全否定しない。

「こうすると、美味しいよ」

 と助言をする。


 私自身、他人ひととの距離感が苦手で未だに迷う。

 そのせいか、『人を全面的に受け入れる』ことが出来ない。

 これは、本でもそう。

 あくまでも、考える素材であり、自分なりに解釈して受け入れている。


 で、若き日(二十代)のころに『ワサビを醤油に溶かす』派だった私は池波正太郎の著書を読み「そんなに違うのだろうか?」とスーパーで刺身とワサビを買い(当然、ワサビはチューブですよ)食べ比べてみた。

 付けて食べると確かにワサビの香りが引き立つ。

 ただ、正直(私見です)、『何につけるか?』でもだいぶ変わる。

 例えば、脂分の多いサーモンとか匂いの強いマグロなどならワサビをつけて食べたほうがおいしい。

 ただ、イカのような淡白なものだとワサビの香りが強すぎて正直、辛い。

(しかも、イカは滑る)


 そして、今。

 たぶん、雲の上の人になった池波先生に聞きたい。

「あの、マグロ丼とかはどうすればいいのでしょう? 個別はかなり難易度が高いと思うのですが……」


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