第12話 努力しないで得た賞は意味があるのか?

 これを読んでいる人。

 そう、画面の向こう側でこの文章を読んでいるあなた。

 あなたがここカクヨミにいる理由は何だろう?

――読みたいものがあるから

――好きな作家がいる

 など理由はあるが、たぶん、一番多いのはこれだろう。

『ここで文章力を研鑽し、いつかは文学賞を取り小説家になる』

 少なくとも、私はそう思い日々生きている。


 さて、世間で有名人夫婦のご令嬢がある映画の賞を取ったことが話題になった。

 ご令嬢はモデルだが映画には一本も出ていない。

 主催者側の言い分としては「これは、あくまで『未来に輝いてほしい』人に贈る賞」とのことだが、果たして、真相はどうだろう?


 大変悔しい事実だが、世の中には「天才」がいる。

 自らの努力を苦にしない「努力の天才」が。

 彼らは努力をひけらかさないし、自慢もしない。

 それどころか、嬉々として楽しみ遊んでいるようにさえ見える。

 また、彼らは引き際も心得ている。

 話題が過ぎるとそっと消えていく。

 常に注目してほしくて罵詈雑言や騒ぐこともない。


 件のご令嬢が如何な才能があるか、私は知らない。

 もしかしたら、親譲りの天才的演技力があるかもしれないし、歌唱力が抜群なのかもしれない。

 ただ、彼女の才能を見出すことを(私から見て)本人も周囲の人間も誰もやっていないように思う。


 もしも、彼女がこのまま小説もエッセーも何一つ書かずに文学賞を取ったら私は枕を涙で濡らすんだろうなぁ。

 

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