解魔封印師邂逅譚 ―影の形に添うように―

作者 江田 吏来

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★★★ Excellent!!!

初めて読んだ時、こんな物語読みたかったー! と感動しました。
青い炎を宿した影介の封印師としての成長を描いた物語です。
この作品が描き出すのは圧倒的な恐怖、そしてそれに立ち向かう人の強さです。
この作品、敵が圧倒的に強いんですね。強いと書くのは簡単だけどそうじゃなくて静かに語られる地の底から湧き上がるような恐怖、張り詰めた空気、読んでいるこちらまで数々の緊張感を味わいました。
また、ミクリという女性が出て来るんですけど、実に人間らしいキャラクターなのです。弱くてズルい、愚かで哀れ(言い過ぎ? 江田さんすみません💦)。
彼女に象徴されるように強さと共に描かれているのは弱さです。人は実にもろく弱い生き物であることをこの作品は教えてくれます。
最後まで読み終えて思うのは奥深い物語だったということ。
描かれている人間らしさが好きです。
人の真髄が描かれた作品です。

★★★ Excellent!!!

 第一章まで読みました。
 本当は最新話まで追い付いた上でレビューしたかったのですが、コンテスト期間も間もなく終了。
 読了前のレビューとなることをお許しください。

 良質な和風ファンタジーとなっております。僕らの生きている歴史と地続きにあるような、少しずれているような……不思議な雰囲気をした、平安の世のような時代。
 夜な夜な人を喰う妖魔、それらに対抗できる封印師。
 封印師の養成所出身である影介は、昔馴染みを訪ねるために旅をしていた。
 その途中で出会った、不思議な雰囲気を纏った女。
 その女に『直接』覗き見られる形で、影介の過去が語られ――

 第一章時点で、影介の過去が明かされていきます。
 これがまあ……壮絶。なかなか胃にくる展開であります。
 しかし、ついつい先へと読んでしまう。軽妙な語り、違和感のない展開、そしてなによりキャラクターたちの人間臭さに、「彼らはどうなってしまうのか」と気になってしまうのです。

 和風ファンタジーが好き、退魔モノが好きという方には、強くおすすめできるかと思います。
 今後もゆっくりと、影介の旅路を見守っていこうと思います。

★★★ Excellent!!!

――はるか昔、ニンゲンは妖魔の好餌だった。

衝撃的な内容から始まるニンゲンと妖魔との互いの生存を賭けた戦い。

神魔が主人公に与えた封印の力。彼は封印師として妖魔に立ち向かいますが……。

繰り返される殺戮。残酷な描写はリアルに描かれていて思わず息をのむほど。

ニンゲンと妖魔に共存の道は残されているのか……!?

作者様の世界観と素晴らしい筆力は圧巻です。

(第61話 おれの一番 拝読後のレビュー)

★★★ Excellent!!!

おどろおどろしい妖魔と、その頂点に立つ神魔。
妖魔を封じる封印師の集団、真風院に渦巻く陰謀。
自らの意志とは関係なくその陰謀に巻き込まれ、己の生きるべき道の定まらない主人公。

あやかしを封印する主人公が活躍する和風ファンタジーですが、登場人物の性格の長短を丁寧に掘り下げ、それゆえに生じる葛藤や思惑がストーリーを思わぬ方向に動かしていく、読みやすい文体ながらもどっしりと骨太な物語です。

前半の第一章、第二章では、主人公の封印師・影介の過去の記憶を紐解き、彼の凄絶な過去と彼の慕うもの達への思いが描かれています。
第三章では影介の現在に場面が戻り、彼の慕う恩師・威鉄の住む集落を訪ねていますが、あらすじによるとこの集落で影介の探し求めていた神魔についての情報が得られ、妖魔たちの不穏な動きがいよいよ明らかになっていくようです。

壮大な物語だけに、この先の物語がどう進んでいくのかは現時点での最新話(第57話)ではまだ謎に包まれています。
影介の思いはどこへ向かうのか、妖魔対ニンゲンの攻防に変化は訪れるのか。
新たな扉が次々に開けられていくような、連載を追う醍醐味をぜひ味わってください。