第3章 Link at the Lights
44. ある愚者の記録
嘘をついて巻き込んだことに罪悪感はある。
だが、同じ生き方だったことに違いはない。
俺を殺したのが同じ名前の男だった……なんて、物語みたいだが真っ赤な嘘だ。悪い、本当は普通に事故で死んだ!
……助けたかったから、親父としての役目を果たしたかったから無理やり巻き込んだんだ。縁ってのがいるらしいからな。アンジェロ……だったか。亡き親友の父親ってだけじゃ弱すぎる。
ろくな生き方をして来なかったからな。
それはお互い様だろ、レオナルド。……妻子を不幸にした元チンピラってとこも似てる。
「巻き込んだっつーのは違ぇだろ。こっちも生き残れてラッキーってやつだしな」
そうか、そういう考え方もできるな。
そう考えたら……あれだな、一石……を、どうするんだったか。
「うさぎにぶち当てんじゃなかったっけ」
なるほどうさぎか。どういう意味か思い出せなくなったけど、まあ要するにどっちも得してるってことだな。
「じゃね?あと、たまに兄弟に会えるっつーのはやっぱ、あれ……なんか超やべぇ」
確かにそれは感動するな。生き別れだからな。……生きてないな、レニーも死んでたな。死んでからの再会ってなんて言うんだったか?
「生きてんなら再会でいいんだろ?じゃあ復活でいいんじゃね?」
なるほど。実は天才じゃないのか、お前。
よーし兄弟、そろそろいいぜ。てかもうやめとけ。てめぇらが両方死んでも治らないバカなのはよくわかった。もうこのまま送っとくわ。
面白くなってきたじゃねぇか。死んでからしばらく退屈だったから最高だぜ。
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