167:やっぱり、焦ってたんだと思う。

 そしてその時代の私は、後輩くんがそんな気持ちでいて、自動販売機の前でそんなできごとが繰り広げられていたことなど、知るよしもなく。

 ただ自堕落な生活を繰り返し、さらに墜ちていっておりました。いろんな意味で。



 二年生のときにはまるまる休学していた私はいちおう、大学に復学しました。


 まあけっきょく半年も続かず、ギブアップして中退することになるのですが……。二年生のときには私は学校に行きたくて、行きたくて行きたくて行きたくて、早く復学したいと願っていて、まわりにもそれを言っていたのに、復学したあとやっぱり行けなくなりました。ずるずると。私自身もとても私に失望して呆れましたし、ということは、まわりのひとたちなんてなおさらそう思っていたことでしょう。


 ただ、ほんとうに、行きたかったのは事実です。

 それは、私は勉強が好きなので、純粋に勉強をしたいという気持ちもあったとは思いますが。それ以上にやはり差し迫った気持ちの問題といえば、焦り、ということがまず大きかったんじゃないでしょうか――。

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