109:そうやって無意識のうちに生活を対比してしまっていたのでしょうね。
スタバでもなにかをしゃべったのだとは思いますが、なにをしゃべったのかはそこまで覚えていません。
ただ、数ヶ月ぶりの再会でしたし、近況を聴いた記憶はあります。
ふむふむとうなずきながら、部長としてうまくやってるのだなあ、演劇部にも入った彼女さんとも、学園生活楽しそうだなあ、という印象を抱いたような記憶も、おぼろげにあります。
自分自身の大学生活についてはほとんどしゃべらなかったような気もしますし、逆にどうでもいいようなことをつるつるとぺらぺらと表面上を無意味になでまわすようにしゃべったような記憶も、あります。
ただ、自分が違和感を感じはじめていることや、なんとなくキャンパスで孤立しつつあると感じていることは、けっして言いませんでしたし、だからやはり私はごまかしていたのだと思います――後輩くんの前だけでは、キラキラ女子大生でありたかった。
あのころの。文芸部部長だったころの、女子高生だったころとおなじように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます