98:私が進学を決めたわけは、やはり。
それでも、三校、有名大学に受かりました。そのうちのひとつが第一志望校の第二志望学科――「上智大学神学部神学科」だったので、これもなにかの縁だと思い、そこに進学することにしました。
「哲学と神学はまったく違う」「上智ならどこでもいいのか」「クリスチャンでもないのに神学部はキツいのでは」「偏差値的には上智神学より受かってる○○大学の○○学部に行くべき」「学園の進学実績をつくるより、ほんとうにやりたかった哲学をやっていいのよ」など、などなどと、善意やあるいはその真逆のなにかにより周囲のおとなからはいろんなことを言われたりもしたのですが、私は、上智哲学科ではなく神学部神学科に受かったのは、もうなにかの必然だと思っていました。
高校三年間を通り抜けていつのまにか薄汚くなった自分が、そのときは信じてもいなかった神の
……それが、結果的に、学園、いえ、ごまかすのはやめましょう、たぶん彼に対して、ひとり勝手に混乱して、ひとり勝手に心を閉ざして、ひとり勝手に心のなかだけでこっそりさよならを言ったに等しいだなんて、そのときには、思いもせず。
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