69:その年の、文芸部の状況は。
さて、あのころにはいろんなことがありました――なにからお話しをしましょうか、と一瞬キーボードを打つ手を止めて天井を仰ぐくらい。
……まあ、まずは、文芸部の新入部員や、そのときの状況についてお話をしましょうかね。
結論から言うと、この春の新入生はほとんど文芸部に入りませんでした。というか、けっきょく部員として定着してくれたひとは、全員演劇部と兼部だったのですよね。
私の代もほとんどが演劇部にも遊びに行くようになっていて、もう演劇部員なんだか文芸部員なんだかといった感じでした。じっさいに、「演劇部付属文芸部」などと言われました。私はその場ではあははと笑ってましたが、実際のところ内心は穏やかではありませんでした。
なのでその影響で、文芸部に見学に来たような一年生はみな演劇部にも入り、結果的に多くが後輩くんとおんなじような感じになりました。
つまり、いちおう両方に所属はしてるけど、演劇部がメイン、文芸部がサブといった感じですね。
一部のコースと学年だけある七時間目の授業の時間までは文芸部も賑やかだけど、それが終わると演劇部もメンバーが揃うため、みなぞろぞろといなくなって残りは私だけとか私につきあってくれてるクラスメイトでもある友人くらい、とかいったありさまでした。友人たちと楽しく過ごせたのでまだよかったですが、本来の本題である部活感は、この時点でずいぶん削がれていましたね。
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