第1507話 見てねぇか?!
宇部さんはね、お料理はまぁまぁ好きです。後片付けが嫌いなだけで、作るのはまぁまぁ好きです。美味しい……と思います。だって、まずくなるもの入れてないし、家族は美味しいって食べてくれてますし。慣れただけかもしれないですけど。
まぁその辺は良いです。
家庭の味ってことでね、ええ。
毎日ご飯を作るにあたって、何が大変かって言いますと、やはり、献立を考えることなんですよ。まさか毎日同じものを食わせるわけにはいきませんしね、例え使用する食材そのものは同じでも、何とかこう、ビジュアルとか、味とか、その辺で変化をつけないといけないわけです。
だけど、こう、ズバッとね、「●●が食べたいです!」って言ってもらえたらまぁ楽ですよ。その●●とやらが私に作れるやつなのかは一旦置いといて。
ただ、マイハズバンドは優しさの塊のような男なので、返って来るメニューがだいたい『●●丼』とか『麻婆豆腐(もちろん丸〇屋使用)』とかなんですよ。
完全に私が楽なやつ!
その『●●丼』だって、大抵親子丼だもの。クッソ簡単なやつだもん。いや、助かるんですよ? 楽だし、美味しいしね? でも何ていうかなぁ、もうちょっとこっちの腕がなるようなやつをリクエストしてほしかったりするというか。
なので最近は、メニューをズバリ聞くのではなく、
「どういうのが食べたい? 肉? 魚? さっぱり? こってり?」
と聞くようにしています。
そんな感じで夕飯のリクエストを聞いたところ、
「お肉が食べたい。冷凍庫に入ってるお肉、何でも良いから。なんかこってり系のやつが良いな」
そんな答えが返ってきました。
それで、冷凍庫をチェックしてみますと、どういうわけかやたらと豚ひき肉が入っておりまして。何でこんなにひき肉ばっかり買ってんだ私は。
そこでピンと来たのが、『ガパオライス』です。
わかってますわかってます。お前、『ガパオライス』のこと何もわかってねぇだろ、っておっしゃりたいんですよね? 大丈夫、わかってます。
一旦最後まで聞いてください。
私の中で『ガパオライス』というのは、白飯の上にレタスなどを敷いて、その上にしょっぱい感じに味付けしたひき肉を乗せ、さらに目玉焼きを乗っけたやつなのです。そんな気がしたのです。その後、たぶん『ロコモコ』と『タコライス』辺りも混ざっているのではないだろうか、ということがわかったんですけど、例え違ったとしてもですよ、美味しければ良いじゃん、の精神ですからこっちは。
レタスとプチトマトはあります。よし、これを白米の上に散らせば良いな。そんで、ひき肉は源タレ(青森でメジャーな焼き肉のタレ)で味付けしよう。あっ、ちょっとしなしなになって来てるアスパラ発見! よし、こいつはバターで炒めて、それも乗っけちゃえ。で、最後に目玉焼きで完成だな。
これをね、「はい、『ガパオライス』でござい」って出したからね。何から何まで違うってわかってたけど、かなり好評だったから結果オーライかな、って。
それで、そんな感じのことをTwitterで呟いたらですね、「ウチは『カオマンガイ』でした」ってフォロワーさんが写真付きで返信してくださって。おわ、これも美味しそう! 今度はこれを作ってみよう! もちろん鶏肉を使うってだけの似ても似つかないやつになるだろうけど! なんて思ってたわけです。
そしたらその翌日ですよ。
宇部「明日の夜ご飯、どういうの食べたい?」
旦那「明日は鶏肉が食べたいんだよなぁ。ほら、なんかさ、鶏肉乗っかったご飯あるじゃん。
とんでもないリクエスト来て。
調子こいてガパオライスなんて作った(ガパオライスではないけど)から、それ系のアジア料理的なものも何かしらの力技でどうにか出来ると思われてしまったのかもしれません。
ただね。
魯肉飯って鶏肉の料理じゃねぇんだよな。
旦那の言う、『鶏肉が乗っかったご飯』というのは、その前日、私がTwitterでフォロワーさんとキャッキャしてたやつ! カオマンガイなのです!
宇部「魯肉飯はさ、鶏肉じゃなくて豚肉のやつだよ。たぶん良夫さんが言ってるのは『カオマンガイ』だと思うな」
旦那「あっ、そうかも!」
宇部「良いけど、ちゃんとしたカオマンガイじゃなくて、鶏肉ってとこしか合ってないようなカオマンガイになるけど良い?」
旦那「良いよ良いよー!」
良いよ良いよー、じゃなくて、いや何この偶然!
おい、旦那お前! 私のTwitter見てねぇか?! アカウント名、がっつり『宇部松清@カクヨム』なんだか?!
ちなみにカオマンガイは、天下のクックパッド様でどうにかしました。
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