第1478話 『ぬいぐるみ』

 さて、KACのお題二つ目は『ぬいぐるみ』です。


 私が小さかった頃、とても大事にしていたぬいぐるみがありました。それが、白い豚の『タブちゃん』です。誰によるネーミングなのかはわかりません。そういう商品名なのかもわかりません。真っ白くて、カーキ色のオーバーオールを着た豚ちゃんでした。


 そのタブちゃん、私が二歳半で頭の手術をする際に、親戚か、はたまた父の会社の人からか、とにかく両親以外の人から「頑張ってね」的なエールとして贈られたものらしく。二歳半ったら、さすがに全然記憶なんてございませんので(でも、自分が手術のために丸刈りになったところは覚えてる)、その辺の記憶は曖昧なんですけども、とにかく私はそれが大のお気に入りでして、高校を卒業して家を出るまで、常に私のベッドサイドにおりました。もちろんまだ実家にいます。


 さて、現在の宇部家ですが、もうぬいぐるみの量が半端ないです。


 まず息子がね、小さい時からぬいぐるみが大好きで。どこへ行くにも絶対にお気に入りのぬいぐるみを放さなかったんですよ。それがね、ちょっとくたっとしたスヌーピーで。ちゃんとしたやつだから結構なお値段するやつなんですけど、孫可愛さにお姑さん(だったと思う)が買ってくれて。それを左手に持って、右手はお口ね。指しゃぶりがなかなか治らない子でした。


 だけど私もね? やっぱり男の子だし、いつかはぬいぐるみも卒業するんだろうな、なんて思ってたんですよ。いまでこそこうしてネットで色々やってね、男だからとか女だからなんていうのは古い考えだってことも知りましたけど、当時はそういうものだと思ってたんですよ。


 ですが、時は流れて現在――、


 息子はいまでもお気に入りのぬいぐるみと一緒に寝てます! あっ、スヌーピーではありません。それは卒業しました。スヌーピーからは卒業しましたが、ぬいぐるみからは卒業していません。いまは、仮面ライダー龍騎のぬいぐるみ(UFOキャッチャーとかにありそうなやつ)です。北海道にも絶対に連れて行きたくて前乗り(事前宅配)させたやつです。


 そんで、たまに秋田市のイオンとか行くとですね、子ども達はパパと一緒にゲームコーナーに行くわけです。私はその間別行動させてもらって手芸コーナーとか行くんですけど。


 で、合流すると、必ずと言って良いほど、あのでっかい袋持ってるんですよ。わかります? ゲームコーナーの戦利品を入れるやつ。あの中にね、そりゃその袋が必要だわな、っていうサイズ感のぬいぐるみが入ってるんですよ。


 旦那がね、「秋田市なんて滅多に連れて来られないから、たまには良いよね」って、子ども達に各一体ずつ取ってあげるんですよ! もうね、だいぶ腕上げてきたよこの人! そんなすぐ取れるわけはないので、結構な額使ってるんですけど、稀にね「これは一回で取れたんだ!」なんて嬉しそうにしててね。


 そんでそれらはね、すべてベッドに置くんですよ。


 あのね、マジでぬいぐるみに埋もれて寝てるの、ウチの子達。ダニとか心配。なるべく天日干しとか頑張ってるけど、大丈夫なんかな……。


 という宇部家のぬいぐるみ事情でございました。

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