第1418話 正月パンツ

 正月パンツの話なんですよ。

 わかります? 正月パンツ。やはり新年はパリッと新しいパンツで迎えたいじゃないですか。そういうわけで、年末の私がお休みの前日、旦那に「明日のお休み、『正月パンツ』を買いに行きたい」と言ったんですよ。ほら、私以外は皆もう冬休みだから。お出掛けするってなったら私がお休みじゃないと行けないわけなんですよ。いや、私抜きでも良いけどさ。拗ねるぞ。


 もう全然ね、近所のしまむらとかそんなノリで言ったんですけど、


旦那「よし、秋田のイオンに行こう(車で50分くらい?)」

 

 そういうことになりまして。


 パンツを買うためだけに秋田市へ?! とも思いましたが、秋田市はですね、もう抜群にちょうどいい都会なんですよ。私にとって。これが札幌、仙台レベルの栄えっぷりになりますと、もう疲れちゃって駄目。田舎生まれのアラフォーのおばちゃんには秋田市くらいがちょうど良いの。ミスドもあるしケンタもあるしスタバもある。結局今回は、これから始まるカロリーパーティーに備えてケンタにもスタバにも行きませんでしたけど。

 

 前回、娘がイオン到着と同時にリバースしましたんでね、「さすがにもう大きくなったから着替えとかはいらないよね」なんて油断していたことを十分に反省しまして、リュックの中に一泊出来るくらいのお着替えを詰め、タオルも数枚、後部座席には口を広げたビニール袋をスタンバイという鉄壁の布陣で臨みました。そして、こういう時に限ってリバースの『リ』の字もねぇと来たもんだ。いや、それで良いんだけど。


 それで、イオンではですね、旦那から自由時間をいただきましてね。真っ直ぐ手芸コーナーへゴーです。パンドラハウスというイオンの中に入っている手芸屋さんです。ウチの市の方のイオンにはなく、秋田市とかの大きいイオンにしかないというのに、私の会員カードはそれなりのランクです。この意味がおわかりですね……? そこで可愛い布をもりもりと買い(作る時間なんかないのにね)、子ども達は子ども達でまたしてもクレーンゲームでなんかでっけぇぬいぐるみをゲットしておりました。


 さて、肝心の正月パンツです。

 そもそも今日は私の「『正月パンツ』買いに行きてぇ」に端を発したお出掛けなのです。物色します。私が求めているのは、ズバリ、面白いパンツです。私が眺めてテンションの上がるパンツです。もちろん、この場合、その『テンションが上がるパンツ』というのは、私のパンツでも、娘のパンツでもありません。ぶっちゃけ、女もののパンツはさしておもしろくありません。


 結局ですね、私の求める面白パンツはイオンにはない、ということがわかりました。と言ってもGUとユニクロなんですけど。駄目だ駄目だ。こんな真面目なパンツは求めてねぇんだ。かといって、ドンキで昔(もう20年くらい前)発見したゾウさんのお鼻にイチモツを収納出来るやつとか、そこまでのを求めているわけでもないのです。それはそれで便利そうだけど。


 結局、近所のしまむらで探すこととなりました。


 今年の旦那パンツは、つるっとした素材の(大丈夫、シルクではありません)蛇柄です。すごい。なんだか危険な男のようです。そういや2023年は卯年なんだから、PLAYBOYのウサギ柄パンツにすれば良かったかなと後から気付きましたが、ウチの良夫さんがPLAYBOYになったら困るのでやめました。かといって蛇になってほしいのかと言われたら違うんですけど。


 さて、息子君です。

 これまで彼はブリーフとか、あるいはボクサーブリーフといった、ぴったりしたパンツばかりを履いていたのですが、ここへきてトランクスに興味を示したのです! 興味があるのなら、履かせてやりたいのが親心。いままでお尻にぴったりと寄り添ってくれていたニット地のパンツとは違い、今度のパンツは裾がひらひらする綿素材! 


 さぁ、息子君の反応や如何に?!


息子「これ、水着……?」


 そうだね、その手のひらひらした短いやつっていったら、まぁ水着くらいしかわからないよね。あのね、それがトランクスです。

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