第1319話 誘導失敗
こないだね、ちょっとTwitterで個人的に盛り上がった話なんですけど。
ちなみにこの『Twitterで個人的に盛り上がった』というのは、決してイイネが5桁に達したとか、そういうバズった感じのやつじゃないです。あくまでも個人的に「いやー、今日の私はなんかすごい輝いてたな」みたいな、別にそんなきらめいたツイートもしてないんですけど、とにかくそう感じただけのやつですので、当然ネットニュースにもなってません。安心してください。いつだってあなたの手の届くところに私はいます。
いつかね、山口県宇部市に行きたいなって話なんですよ。ちょいちょいね、そんな話は(Twitter内で)してて。何せほら、私の名前がね、『宇部』であるからして。そこからもらってるからして。いつか宇部市に行って、「宇部市の皆さん、宇部がやって参りましたよ!」ってやりたいじゃないですか。
そりゃあね? ベストなのは、私が小説かあるいはこのエッセイ、何なら『13日の金曜日』ご意見番とかでも良いんですけど、何かしらでブレイクして、そんでこの名前が山口県宇部市からとっているということを耳にした宇部市の市長さん辺りが「交通費は支給しますから、ぜひとも我が市へおいでませ」って申し出てくれることなんですけど、そんなのどう考えたってありえないじゃないですか。まぁワンチャン書籍化したとしてもですよ、そんな宇部市にまで轟くほど売れるとは思えないのです。これで自作小説の舞台が宇部市なら、それが書籍化の際にもしかしてとも思ったんですけど、名前が『宇部松清』で小説の舞台も宇部市なのに、出身は北海道だわ住んでるのは秋田県だわ宇部市には行ったこともねぇわってもうめちゃくちゃでしょ。宇部市への愛を拗らせ過ぎ。知りもしない癖に。
そうなると、もう完全に観光で行くっきゃねぇなって。
ただここで壁が立ちはだかるわけです。
一人で行くにしても、旦那と行くにしても、
旦那「何でまた山口県の宇部市なの?」
ってなるでしょ、絶対。
これがね?
もう書籍デビューして、
だからね、ちょっとずつでもこう、山口県に誘導出来ないかな、ってことでね、いつものお洗濯干しタイムにね、もうほんと雑談の体でね、話をしたわけです。
宇部「いつかさぁ、なんかこう……遠いところに旅行とか行きたくない? 電車に乗ってさぁ」
旦那「良いねぇ」
宇部「例えばさぁ、京都とか……奈良とか……もうちょっと頑張って広島……とかさぁ」
少しずつ少しずつ近付く作戦です。
これで「広島良いね」ってなったら、「じゃあいっそ山口まで行っちゃおっか☆」と言ってみるつもりでした。
ところが。
旦那「おお、何か修学旅行みたいだね!」
京都と奈良をチョイスした私のミスです。確かに修学旅行といえばココ! みたいな府と県です。
旦那「俺はそうだなぁ、それなら金沢が良いかな」
クッソ! 戻された! 能登半島ぅぅぅぅぅ!
その後もどうにか軌道修正(?)出来ないかと、「あー、金沢も良いよねぇ」と同意しつつ、「逆にさ(?)、修学旅行とかでは絶対に行かなそうな、目立った観光名所(歴史的建造物とかテーマパークとか)があんまりない県とか行ったら楽しそうじゃない?」と提案してみました。
もうこの発言で、私は完全に『山口県には目立った観光名所がない』と決めつけているようなものです。山口県の皆さんごめんなさい!
(※後に『地底王国美川ムーバレー』という私の好みにドンピシャなテーマパークがあることがわかりました)
旦那「成る程。そういうのも面白そうだね」
さすがはマイハズバンドです。何言ってんだお前、なんてことは言いません。基本的には何でも乗ってくれます。
旦那「じゃあアレだ。福井だ! 福井に行こう!」
旦那は旦那で福井県を何もない県と思っている模様。
馬鹿野郎!
福井ったらアレだろ!
鯖江の眼鏡があるだろ!
ウチらどっちも眼鏡人なんだから重要だろ!
あとはほら、恐竜!
恐竜がいるから!
恐竜は男のロマンだろ!?
と力説したところ、思い出したように、
旦那「あとあれだね、原発」
って。
うん、まぁ、原発もあるけどさ。
で、結局山口には全然辿り着かなかった、っていう。
そんな話で9月終了でございます。
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