第1267話 やっぱり!

 さて、本日はですね、何話か前に書いた、息子の病院でのお話です。


 ウチの息子君、定期的に発達の検査を受けておりましてですね、以前は3ヶ月に一回のペースだったんですけども、小学校に上がってからは長期休みに合わせて通院する感じです。その予約を取るのがJの事務所のコンサートレベルだっていうのをたぶんここでちょいちょい書いていたと思います。


 もうマジで繋がんないから。

 予約開始5分前とかからかけ始めるんですけど、さすがに5分前は「本日の営業時間は終了しました。当院の営業時間は午前○時から~」っていうアナウンスが流れるんですけど、それを真に受けて○時きっかりに電話すると既にお話し中なんですよ。やっぱり少々フライング気味でかけ始めないと駄目なんですよ。


 毎回それに敗れて30~40分くらいですかね、ひたすらリダイヤルしまくってやっと予約が取れる、そんな病院です。予約TELの日は仕事を休みますから私。


 それでですよ。

 そんな思いをしてやっと取れた通院日、旦那と息子と三人で朝7時半に家を出、「息子君、今日も頑張ってね」なんてエールを送りつつ、いざ検査ですよ。


 検査室には両親も入れないので、廊下のベンチで待たされるのですが、我々はどうしても息子の様子が気になるので、ドアの小窓(マジックミラーになっている)からそっと様子を伺っています。話し声はあまり聞こえませんので、どんなやりとりをしているのかは断片的なのですが、動きのある課題は何となく何をしているかわかったりします。


 その中の一つ、一番最初にやるのが、4つのブロックを先生がらランダムに叩き、それを覚えて真似する、というもの。


 これがですね、難しくて。

 息子が、というより、我々が。

 4つとか5つまではまだついていけるんですよ。

 これが6つ7つとなりますと、先生の指があっちこっちに飛ぶものですから、もう最初のやつとか覚えてらんなくて。まぁ、息子もだんだんついていけなくなるんですけど。


宇部「……良夫さん、私無理かも」

旦那「俺もついていけない」

宇部「これってさ、息子が受けてるわけだから、きっと子ども用の検査なんだよね? ウチらヤバくない?」

旦那「ヤバいのかな」


 その後も、先生が発した適当な数字を覚えて復唱するとか、それも反対から言うとか(そんなの絶対無理)、あとは息子が大得意な『提示された絵を一定時間見て覚え、その通りに描く』なんていうのもありました。あとは何だったかな。数枚の絵を物語に合わせて並べ替えるとか、それの文章バージョンもありました。これは国語のテストなんかでもあるやつですよね。


 で、検査が終わって、お次は診察です。

 これは少し待たされます。待合室には絵本やおもちゃがたくさんあったのですが、コ□ナの影響でほぼほぼ撤去されてしまったので、Eテレたれ流しっぱなしのテレビしかありません。毎回毎回お絵描きセットを持ってくれば良かったと後悔しながら売店へダッシュ。自由帳とボールペンを買うはめになります。


 好きにお絵描きさせて待つこと数十分。やっと診察です。息子と先生の世間話に見せかけたおしゃべりトレーニングの後は親が検査結果を聞く番です。


 ぺらり、と用紙を見ながらお話を聞きます。


先生「えー、今回も息子君よく頑張りましたね。あのですね、この認知の箇所なんですけど、一部成人レベルの数字が出てます」

宇部夫妻「「は?」」

先生「目で見て覚えるところですね、息子君得意ですもんね」

宇部「は、はぁ……」

旦那「見て覚えるのは、昔から、まぁ……」

宇部夫妻「「(やっぱりあの検査、全年齢対象だったのか!!!)」」


 まぁ、良い方に突出しているのはそこだけで、逆に言語分野がまだまだ年齢よりもやや下だったりするものですから、とにかくバランスが悪いんですよ。何かが突出しているからといって、その得意な分野だけで生きてはいけないじゃないですか。そういう仕事に就ければ良いんでしょうけど。


 で、その後、帰宅して『ママ食堂』の流れになった、とそういう一日でございました。色々お疲れ様、息子。

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