第1241話 Tの衝撃

 あれですね、定期的に仮面ライダーダブルの各話タイトルみたいな感じになりますね私は。イニシャルトークが好きなんでしょうね、無駄に。


 ここ最近というか、数年、ダイエットを頑張っていることもあり(最早ライフワーク状態)、美に対しての意識が高まっているようなそうでもないような私です。お化粧の方はね、全然なんですけど、アイシャドウの新作がどうだとか、あのマスカラは神だとか、その辺はまーったくなんですけど、ことボディメイクに関しては何かと注目しているわけです。


 だって顔はもうほら、ここからどう頑張っても北川景子さんにはなれませんけど、ボディだったら割とどうにかなるんじゃないかな、って。まだこっちの方が望みはあるんですよ。身長は伸びないけど。


 というわけで、下着を色々紹介してくれる元下着販売員さんのチャンネル登録をしています。


 その下着紹介チャンネルの人はですね、比率としてはブラジャーについて語ることが多いんですけど(どこそこの新作が可愛いとか、透けにくい色はどれだとか)、たまにパンツの方にも言及することがあるわけです。


 恥ずかしながらいままで、


「いや、パンツなんて局部が隠れりゃ何でも良いでしょ」


 という気持ちがあったのですが、認識を改めるいいきっかけになったな、って。


 それでなんやかんやあって――、


 Tバックを履いてみよう、って話になって。


 いやもうごめんなさいね、アラフォーおばちゃんが何やってんのって話ですし、こんなの早朝の爽やかな時間に書くことじゃないですし、ここだけでもグロ描写有りのチェック入れときゃ良かったんですけど(グロ描写なんてセルフレイティングはないけど)。


 ただこれだけは声を大にしてお伝えしたいのが、決してエロい目的で履いているというわけではないということです。


 目的としてはですね、まず、ピタッとしたズボン(スキニーとか)を履いた時に下着の線が出ないというのがあります。そりゃそうです、その部分に布がないんですから、出ようがないのです。


 それからもう一つは、単純に臀部に何枚も布があると暑いんですよ。私ね、大人になったら女性ってガードルとか履くものだと思ってたんですよ。自分の母親がそういうの履いてたので。


 そんで産後、体型が崩れて来たので、一応そういうのも買ってみたんですけど、クッソ暑いんですよ。前にも書きましたけど、私、とんでもなく汗っかきなんですよ。こんなの履いてたら暑くて死ぬし、汗疹で死ぬんですよ。だけどその時はまだ30代前半でしたから、きっとまだその時ではないだろうって先送りにしてですね、現在ですよ。


 いやもう絶対あんなの履きたくねぇ。


 そしたらちょうどおあつらえ向きにですね、やれダイエットだエクササイズだで尻が上がって来たものですから、おっ、この調子ならガードルに頼らなくてもイケんじゃね? ってなったわけです。


 で、己の尻に目を向けるようになったらですね、いい年してパンツの線見せてるとかまずいんじゃねぇのか、って思って。それで線が出にくいものを履いたりしていたんですけど、そこへその下着紹介ユーチューバーさんがですね「Tバックめっちゃ良いです」って言うもんですから。


 よし、履いてみようじゃないか、って。人生はいつだってチャレンジ。せっかくだから、一度でもTバックを履いたことのある人生にしようって思って。私の人生にTバックという華を添えてやろうと思って。


 そしたらですね、思った以上にすんごい快適で。

 すげぇ、双子山(私は尻のお山のことを密かにそう呼んでいる)に布が一枚ないだけでこんなに快適になるとは! って。


 ただほら、いきなり洗濯物の中にね、Tバックが出てきたら旦那びっくりするから。そんなサプライズ可哀相だから。


 なのでね、ちゃんと事前に言ったんですよ。私、Tバック買ったわよ、って。ただね、エロしい目的で買ったわけじゃないからね、って。痴女だと思われたくないですからそこは。旦那の面白パンツ(その後、フラミンゴとナマケモノが追加されました)ふれあいパークには積極的に参加しますけど、痴女ではないですから。だから、そこはね、声を大にして伝えましたよね。


「ち、違うから! 別にそういういやらしい目的のやつじゃないから! ほら! パンツ! パンツの線がね? いい年してパンツの線大盤振る舞いとか淑女の嗜み的にアレでしょ? あと、そう、暑いから! あのね、布! 布がね? そこにはないから、暑くないっていうかね? いやほんとマジでそういう目的じゃなくて」


 私はどうしてこんな疚しさしか感じられない説明しか出来ねぇんだ。これじゃ完全にいやらしい目的で買ってる人じゃん。


 ですが、旦那はちゃんとわかってくれました。大丈夫、俺は松清子の性格をよく知っているよ、と。さすがは私のハズバンド、と感動しておりましたら――、


 というわけで後で見せてね、って。


 さすがは私のハズバンドでしたわ。

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