第1197話 秘めたい

 何だかあっという間に5月も最終日です。

 もうね、5月の前半はほぼほぼ記憶が「首ってぇ」なのでね、もうほんとになーんにもしないで過ぎ去ってしまったんですよ。いたずらにこのエッセイのストックを消費したのみ。

 いやー、でもほんと、あの時はたまたまですね、首が痛くなる前からストックが割と豊富にあってですね。そんで、一番痛い時期を乗り切った感じなんですよ。あとはほら、全然動けるけど要安静みたいな感じでしたからひたすらエッセイを書きまくってたんですが。


 何でしょうね、虫の知らせでもあったんですかね。お前これからのっぴきならない事態になるから、ストック山ほど作っとけよ、みたいな。もちろんそんな予定はないんですけども、これ出産とかでもイケた感じなんだろうな、って思ったわけですよ。某有名漫画家さんもですね、出産の際、ちゃんとその分のストックを用意しておいたので一度も休載しなかった、みたいな話を聞いたものですから。そんなことを考えましたね。あーいまなら私もう一人産めたな、みたいな。全くその予定はありませんが。


 それでですよ。そんなこんなで気付けば5月も終わりということでですね、今日はウチのアイドル娘ちゃんの話をしようかな、って。5月関係ないけど。


 宇部さんはですね、正直なところ、子どもと遊ぶのが苦手だったりします。小さい頃、読書かお絵描きくらいしかしていないのと、現在でも友人と遊ぶ機会なんていうものが皆無なため、何をしたら楽しいのかがわからないんですよね。家にはゲーム機もトランプの類もありませんし。おままごととか、人形遊びとか、向こうから「これをしよう」って誘ってくれればいいんですけど、こちらから提案するのがすごく苦手で。お兄ちゃんの方はですね、私と同じタイプで一人で本を読んだりお絵描きしたりするのが大好きなので、特に困らないんですが。


 問題はスーパーアクティブな娘ちゃんですよ。


 公園に連れて行こうにも、もう大きくなりすぎて自転車には乗せられないし、お買い物ったって、特に買うものもない。もう少し大きくなったらファミレスに行ってパフェでも注文しつつ女子会なんてのも良いかもとか思うんですけど、こんな時間にパフェなんて食べたら夕飯入らないし。


 だけど、ママと一緒にいてもつまらないなんて思われたくない! 


 そんな思いから、娘ちゃんとは、よくお菓子作りをします。これなら場が持つし、料理が好きになるかもだし、あと出来たら食べられるし!


 つっても、私なんでね。

 ホットケーキミックスを使った簡単なやつですよ。


「まだ娘ちゃんには難しいから、簡単なやつにしようね☆」


 とか言ってますけど、違うんですよ。そもそも私自身、お菓子なんか子どもを産むまでほぼほぼ作ってないんですよ。そりゃね? 大学生の時、餡子屋さんの倅に恋をしていた時には餡子を炊いたりしましたとも。だけど「それじゃあ娘ちゃん、餡子炊こうか!」とはなりませんから。


 それでまぁ作るわけなんですけど、娘ちゃんはですね、とにかくパパとにいにには内緒にしたいんですよ。ママと何かを作った、ってところまでは教えるんですけど、何を作ったのかについては徹底的に秘めておきたい。そんで、夕飯を食べ終えて、いざデザートだ、って時にババーン、と出したい。


 だけどぶっちゃけ、宇部家のキッチンは狭いですから。作ったものを隠す場所なんてないんですよ。せいぜいキッチンペーパーなどを被せて隠す程度。なので、予め根回しが必要になって来ます。


宇部「良夫さん、今日、娘ちゃんとお菓子作ったから」

旦那「了解」

宇部「例の如く、娘ちゃんは隠したいみたいだから、キッチンには近付かないで」

旦那「OK」


 これがないとね、「あれー? これ何ー?」って隠してるやつをぺろーんって見ちゃったり、おばあちゃんから重めの差し入れ(バナナ一房orスイカ半玉など)が来ちゃったりするから。


 そんで、パパがにいにと共に帰宅しますと、娘ちゃんは玄関にすっ飛んでいきます。


娘「あのねぇー、今日ねぇー、ママとぉー、いぃ~いもの作ったんだけどぉ~、パパ、絶対見ないでね」


 もうここだけ聞いたらただの意地悪野郎ですよ。良いもの作ったけど、パパには見せてあーげない、ですよ。見せてやれよ。


娘「あのね、キッチンに隠してあるから、絶対見ないでね! にいにもだよ!」


 めっちゃ念を押すじゃん。大丈夫だよ、もうママの方でバラしてるからさ。


 これが逆の立場なら、娘は何が何でも見ようとするんですけど、兄さんは「うん、わかった! 楽しみだなぁ」と花丸満点の答えです。パパとにいにが楽しみにしてくれているので、娘ちゃんはご満悦です。成る程男連中がこういう反応をするからどんどん娘はお姫様になっていくんだな、と思いつつ。


 そんでまぁ、夕飯後に食べましたが、さすがは森〇製菓が出してるレシピですよ。簡単で美味しい。私でも失敗しません。気になった人は『天使のレシピ』で検索だ!(突然の宣伝)

 

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