第1186話 顔が良い

 これね、あくまでも宇部夫妻の意見ですからね、いやいや絶対に違う、何言ってんだこいつら、って思われる方もいるかと思うんでね、その場合はもう全然コメント欄で熱いパッションをぶつけていただいて構わないやつなんですけど。むしろあなたの声を聞かせて。


 アイスをね、食べてたわけです。

 夜、子ども達を二階に送った後で、大人だけでこっそりね。


 その日はですね、なんかいい感じのバニラアイスと、チョコミントのアイスでした。どっちがいい? と聞かれましたが、チョコミントが好きなのは私だけなので、当然私がチョコミントです。


旦那「それ美味しい?」

宇部「美味しい。良夫さんはチョコミント苦手だもんなぁ」

旦那「そうなんだよねぇ」

宇部「私思うんだけど、チョコミントっていうのは、ヴィジュアルが良いのよ。なんていうか、顔が良い」

旦那「顔が……?」


 ここでね、お前頭おかしいんじゃないのか、って言うような人ではありませんから、マイハズバンドは。妻がどんなにトチ狂ったことを言い出しても、まずはちゃんと話を聞いてくれる男。私も含め、全人類見習った方が良い。


宇部「だって見てよ、これ。きれいなミント色に、チョコのコントラスト。完全にヴィジュアルが良い」

旦那「成る程」

宇部「しかも、味で考えてみてもね、ミントのクールさの中に、甘いチョコのアクセントよ。見た目もさることながら、そういった内面のギャップみたいなのもあるわけ。これはイケメン」

旦那「わかってきた」

宇部「理解が早くて助かる。これってさ、実在する俳優さんとかだと誰に該当するのかな。見た目クールなんだけど、時にチョコ(甘さ)をチラつかせて来る人」

旦那「そうだなぁ……Jの事務所だと……」


 やはり芸能人に疎い我々としてはですね、イケメンを探すならあの事務所から、みたいなところあります。イケメンカタログ的扱い。ただ、個人的にはJの事務所のイケメンはそんなにイケメンじゃないよなぁ、と思っています。あくまでも好みの問題ですけど。


 そこで旦那が「わかった!」と。お、誰だ誰だ、チョコミント代表は誰なんだ!?


旦那「ヒガシ(東山紀之)じゃない!?」

宇部「ヒガシ!」


 もうJの事務所のクール顔ったら彼、みたいなところある。若手もたくさんいるんだろうけど、他の追随を許さないところある! チョコ甘さ部分はよくわからなかったのですが、旦那曰く、最近情報番組とかでそういう面をチラッと見る、と。旦那が言うなら間違いない。


 さーてこうなると、バニラは? ってなるじゃないですか。アイス界の絶対的エースですよ。チョコミントは駄目な人結構いますけど、バニラが駄目って人はあんまり聞かないじゃないですか(そもそもアイスが苦手な人は除く)。アイスの登竜門的ポジションというか、誰しもファーストアイスはバニラじゃないですか(そうかな……?)。


 そう考えると、ただ甘いマスクってだけでは駄目なんですよ。顔が良いのは大前提として、誰とでも仲良くなれちゃう人懐っこい系といいますか、老若男女に受け入れられるタイプじゃないと駄目なんですよ。


 こうなるとJの事務所で縛らず、もっと広く探した方が良いのでは、と判断した旦那は得意のGoogle先生に尋ねます。


『男性 俳優 甘いマスク』と。


旦那「で、出た! Google先生の答えが……!」

宇部「一体誰なの……!?」

旦那「ディーン・フジオカリリックを紡ぎ出す人……」

宇部「ディーン・フジオカリリックを紡ぎ出す人……」


 ちなみに、ディーン・フジオカさんを『リリックを紡ぎ出す人』と呼んでいるのは当然我々だけです。

 彼が注目され始めた頃、たまたまテレビをつけたら歌番組をやってて、そこでなんかすんげぇリリックを紡いでいる彼を見た、ってだけです。俳優かと思っていたら、歌番組でリリックを紡ぎ出していた、と。その驚きから、彼のことを色んな感情を込めて『リリックを紡ぎ出す人』と呼んでいます。


 さて、Google先生がどんなポイントで彼を推してきたのかはわからないんですが、宇部夫妻のジャッジとしてはですね、「彼はバニラではない」と。彼はもっと苦味もありそう。エスプレッソみたいな感じのアイスっぽい(※個人の見解です)。


 そこでね、またしても旦那の天才的ひらめきが炸裂したんですよ。


旦那「……小池徹平じゃない?」

宇部「それだ!」


 現在の彼のことはわかりませんが、若かりし頃の小池徹平さんですよ。あの甘いマスク。そして、老若男女に受け入れられそうな人懐こさ! 絶対彼、お年寄りの手を引いて横断歩道渡るでしょ! 席も譲るし!


 賛否あるかと思いますが、宇部夫妻の結論と致しましては、チョコミントは東山紀之氏、バニラは小池徹平氏ということになりました。

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