第1143話 エイプリルフール報告
まぁ別に報告するほどのことでもないんですけども。
エイプリルフールは企業のTwitterが楽しいですね。色んな企業さんがもうこの日を全力で楽しんでやるぞ、みたいな感じで楽しそうなんですよ。
個人的にびっくりしたのが昨年のエイプリルフールで猫用の『マタタビ入り柔軟剤』を作りました、みたいなことを呟いた石鹸メーカーさんが、今年はガチで作りましたってやつですかね。これは嘘から出たまことってやつなんでしょうか。売らないみたいですけど。
こういう企業のツイートはバズるとネットニュースでも取り上げられたりするので、Twitterはやっていなくても目にした方もいるのではないでしょうか。
さて、宇部家ですよ。
まぁ普通に生きていたらそう大して嘘をつくこともないものですから、今日という今日はもうすんげぇのついてやんぞ、と多少気合を入れました。ただ、毎年そうなんですけど、直前まで忘れてるんですよね。せめて三日くらい前に気付いていたらもうちょっとちゃんと計画するんですけども。
さぁどうするどうする。
まず、腫瘍が見つかったとか、血を吐いたとか、怪我をしたとか、そういうのは年齢的にシャレにならないので駄目なわけです。
それから、宝くじが当たったとか、何かしらの抽選に当たった、みたいなとてつもなく良いことがあった系も、嘘だと明かした時にむなしくなるので駄目。それに抽選に当たったとかはその手の詐欺の可能性もありますから。私の場合、ガチで心配されそう。
そんなことを考えたら、もう何もないわけです。
そうこうしているうちに出勤時間ですよ。畜生、本来のエイプリルフールは午前中だけとかそういうやつらしいけど、そんなの知るか! もうKACも終わったことだし、業務中に何としてもすんごいやつを考えてやる!
そんなことをね、考えたわけですが。もうぜーんぜん浮かばず。何やってんだ、仕事中に。
で、お買い物をしてですよ。
もうこうなったらこの買い物でどうにかするしかないわけです。そうだ、エビスビールとか買って、それに安い発泡酒のラベルを貼るのはどうだろう。いや、エビスは缶が金色だから、白い缶のビールにしないとだな。あーでも、まず発泡酒のラベルってどうしたら良いんだ? ネットに画像あるかな? それをうまいこと拡大して……? 駄目だ、そんな時間はない! くっそ、あと三日あったら完璧にやり遂げてみせるのに!
そんな感じでやきもきしてですね。もう仕方ないからいつものビールを買ってですよ。それを冷蔵庫の奥深くに隠して、さらに私の豆乳達(200㎖)でわさわさとガードして「ごめーん、今日お酒買うの忘れちゃった(テヘペロ」しかねぇ。かなりパンチが弱くなっちゃったけど、もう時間もないし仕方がない。
さて、準備はOKです。
旦那が子ども達と共に帰宅しました。
さーて、いつ切り出そうかとドキドキです。
旦那「ただいまー」
宇部「お帰りー(どのタイミングで言うべきなんだ。あれか? 冷蔵庫を開けた瞬間か? きっちり隠したから見えないはず)」
旦那「ちょっともー今日さぁ、ショックなことあって」
宇部「どしたの(やべぇ。そんなショックなことがある時にお酒ないとか言っても大丈夫だろうか)」
旦那「パンツに
宇部「ブフォッ! ちょ、ちょっと大丈夫?! お尻の筋肉どうしちゃったの!? びょ、病院?! 病院行く?!」
旦那「うっそ~。エイプリルフ~ル~」
宇部「貴様ァ!」
こっちの嘘が霞むくらいのすんげぇのぶっ込んできて。
もうこんなの出されたらね、何か色々吹っ飛んじゃって、
「えっ、えっとね、今日、その、お酒をね、買うの忘れちゃって」
すんごいしどろもどろになっちゃったっていうね。駄目ですね、旦那のペースに飲まれちゃってね。こんなのだからもう「あーいいよいいよ、いま買ってくる~」とか普通に返されちゃって。
「ち、違うの! ある! あるの! ほら、エイプリルフールだから! 嘘ついたの! ごめんね?!」
って豆乳かきわけてビール出したわ。もう一体何がしたかったのやら。完全に今回は私の負けでしたね。そうか、パンツに●とかそういうのでも良かったんだな、って。
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