第1066話 ウェアは必要ないのか

 急に思い出したやつなんですけど。


 昔の少女漫画ですよ。

 わかります?

 あの、横から見ると顎がすごくシュッと出てる感じの。Eラインっていうんでしたっけ。


 さすがに出過ぎでは? って思ったりするレベルですけど。でも漫画ならオッケー!


 それでですよ、ストーリーとかはあんまり覚えてないんですけど、皆でスキー旅行か何かに来たヒロインが、前日(?)に張り切ってパーマをかけたら、その時は(美容師さんがちゃんとセットしてくれるので)ちゃんとなってたのに、自分であれこれしようとしたら、もうのっぴきならない仕上がりになってあーららら、みたいな、そんな話のあるやつなんですね。


 そこへ颯爽と現れたヒーロー(たぶん)、ドライヤーとブラシでなんかちゃちゃっとブローして、ほらね? みたいな。何でしょうね、美容師さんだったのかな? その辺も曖昧なんですけど、そこはどうでも良いんですよ。


 問題は、そのスキーの部分。

 コマを四段くらいぶち抜いてですね、八頭身だか十頭身だかわかんないですけど、とにかくスタイル抜群のヒーローがですね、シャーッてスキーをするわけです。カッコイイんですよ。パンタロン的なね、いまはブーツカットっていうのかしら、裾がふわっとしたジーンズでね。


 ジーンズなんですよ。

 ジーンズにセーターでスキーしてるんですよ。


 は?

 ウェア着ないの?

 昔の人ってウェアなしでスキーすんの?

 それともこの彼、地元民とかで、「地元民はスキーするのにわざわざウェアなんて着ないっしょ!(舞台がどこか覚えてないので、とりあえず北海道と想定して北海道弁にしてみました)」とかそういう感じ!?


 道民だってウェア着るっつーの! むしろ着るっーの! 雪舐めんな!


 いや、これが海ならね?

 地元民は服のまま泳ぐとかね? そういうのもありますよ?(ありますよね?)

 いやいや、泳ぐって言ってもあれですよ? ガチのやつじゃないですよ? 着衣水泳とかそういうのじゃなくて、ほんの水遊び程度っていうかね? 


 雪山は死ぬって。

 凍死するって。

 棒立ちじゃないのよ?

 スキーなんて風受けまくるんだから。


 そうはいっても宇部さんの記憶でしょ? って思われた方が大半かと思うんですけど、これに関しては当時もかなり驚いて脳内で突っ込みまくったので間違いないんですよ。


 防寒具無しで雪山に置き去りにされた探偵とかが、偶然見つけた小屋にたまたまあったスキー板をどうにかこうにか装着して必死の思いで下山したとか、そういうシチュエーションじゃないんですよ!?(なんかそんなの見た気がする)


 というわけで、何か私の中で、昭和中〜後期に描かれた漫画ではスキーはウェアなしで滑る、みたいなのが常識みたいになってます。どなたかそういうの見たことある方おりませんかね。


 あと、これは漫画はもちろんニュースなんかでもでたまに見るやつなんですが、半纏で雪かきしてる人ね。手袋も軍手とかで。


 実家の雪かきといえばですよ、それこそスキーウェアを着てやるんですよ。さすがに両親はスキーなんてしないので、雪かき用の上下セットみたいなやつなんですけど、とにかく上下着るんですよ。手袋はもちろんスキー手袋ですよ。


 それなのに。


 すげぇ。

 内地の人間強すぎねぇ……?

 そんな装備で大丈夫なのかよ。


 で、時は流れていま内地(秋田県)に住んでいるわけですけども、確かにそんな装備で全然イケるな、って。そんなに長時間の作業じゃねぇもんな、って。


「いやー午後も軽トラで三台分(海に雪を)投げてきたわ(「午後も」ってことは午前中もそれくらいやってる)」、って親からのLINEを見て、ちょっと申し訳なくなりましたわ。


 ごめんな母さん、娘はもうこっちの雪の量に慣れてしまったんだ。

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