第997話 総選挙

 こないだね、仮面ライダー総選挙なる番組があったんですよ。天下のNHKで。Eテレでもさんざんお世話になっておりますが、我々にもそんな恩恵が!? 受信料払ってて良かった。


 そんな話を夕飯時にしておりましたら、当然食いつくのは子ども達。まぁ、普通に考えたら、そもそも仮面ライダーは子ども向け番組ですから。大人も楽しめるというだけで。


息子「ライダー? パパ、いまライダーって言った?」

娘「それなんじにやるの? なんじなんぷん?」


 落ち着けお前達。まずは飯を食え。


 けれど放送されるのは、完全に彼らが夢の中でキャッキャしてる時間ですので録画です。まぁ、ゴールデンタイムだったとしても録画しますけど。


 それで翌朝。

 日曜日です。

 大人達はギリギリまで惰眠をむさぼりますが、ウチの子ども達は平日だろうが休日だろうが関係ありません。四時半〜五時には起きます。もうパン屋さんに就職しろお前達。


 というわけで、録画した総選挙を早速見ておりました。


 で、遅ればせながら親共が起床。朝ご飯の仕度に取り掛かります。子ども達はTVに映ってるライダーについて何やらコメントしております。何かほぼほぼ平成ばかりでした。


 すると娘が言うわけです。


娘「でもわたし、女の子のライダーがいいなぁ」


 女の子のライダー。

 いまはね、います。

 最初のは龍騎でしたかね。ファムっていう。その他にも意外といっぱいいます。劇場版が多いのかな?


 だけど娘ならあれだろうな。ゼロワンに出てきたバルキリー。あれは息子も好きだったしなぁ。


 そう思いながら、娘リクエストの目玉焼きトーストを作っておりますと――、


娘「あのねぇー、名前はわかんないんだけどー、カブトに出てくるやつ!」


 ……カブトに女性ライダーらしきもの出てたか? 劇場版とか?


 いや、お前それ、カブトじゃなくてストロンガー(カブトムシモチーフのライダーといえばこっちが先)じゃね? 電波人間タックルじゃね?


宇部「あー、娘ちゃんよ。それはな、カブトじゃなくてストロンガーじゃないか?」

旦那「ストロンガーだな」

宇部「そんでそれは電波人間タックルじゃないかな」

娘「タックル?」

宇部「ほら、あのテントウムシみたいなやつでしょ? 赤くて可愛いの」

娘「それー!」

宇部「あれはね、タックルっていうんだよ。残念ながらあれはライダーじゃないんだ」


 そう、ライダーじゃないのです。

 公式的にもあれはちょっと違うっぽい扱いだったような気がします。


 私の中では、タックルが死んだ時、おやっさん(立花藤兵衛)と茂(ストロンガー)が「お前もライダーだ」的なアレがあったような気がするんですが、私の夢かもしれませんし、ただの願望かもしれません。あるいは二次創作の可能性もあります。公式であってくれ。

 

 ただ私の中ではタックルこそが初代女性ライダーの扱いですね。彼女の最後の闘いは涙なしには見られませんて。


 しかしわかってるな、娘よ。それでこそ私の子だよ。

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