第994話 大人のプレゼント

 ってタイトルにするとですよ。


 おっ、R18えっち関係のやつか!?


 って鼻息荒い読者様が覗きに来てくれるかな、って。まぁはっきり言えばそういうのを狙ってつけたんですけど。汚い。宇部さんほんとそういうところある。


 いやいや、なんてことはない話なんですが、クリスマスにかこつけて、夫婦間でも何かしらのプレゼントの贈り合いをしたいよね、って思ってですね。


 といってもまぁ、ほんとにささやかなやつなんですよ。誕生日だってクリスマスだって、アクセサリーがどうだとか、ちょっと良い時計を――とか、そういうのではなくて。旦那はちょっと良いお酒(と言っても5000円もしないウィスキー)だったり、私はドライヤーとかだったり、そういうやつなんですけど。


 年々、物欲がなくなってきたなぁと思うわけです。


 そりゃあ若い頃はですよ。恋人同士の頃はペアリングが欲しかったりもしました。


 まぁその後、最強のペアリング(結婚指輪)を買いましたんでね。ダイヤも何もついてないシンプルなやつですけど、よくよく考えたら身に着けているもので一番高いのがこれなんですよね。しかも10年以上愛用中ときたもんだ。ちなみに旦那は外仕事の人なので指輪は外しています。雪の季節になってお仕事が休みになるとつけます。


 それでですよ。

 まぁ先述の通り、高価なものはいらないんですけど、せっかくだし、何か贈りたいし、贈られたいと思うわけです。旦那にはですね、またちょっと良いお酒なんかいいんじゃないのかな、って思うわけです。何か、あの、バラの絵が描かれたやつが好きらしいんですよ。いつもはそのシリーズの一番安いやつなんですけど、ここらでちょいとあのショーケースの中に入ってるヤツでも贈っちゃおうかな、ってね。日頃の感謝の気持ちですから。そんな諭吉レベルでもないですし。


 それで困るのは、「そんじゃ、松清子は何が欲しい?」ってやつなんですよね。


 ぶっちゃけいま一番欲しいのは、来月分のプロテインとかね、ミシンの糸とか布とか、メイク落としとかなんですよ。あっ、やだ、洗濯洗剤も切れてるじゃん、みたいな。


 いや、クリスマスのプレゼントとしてどうなの、っていうラインナップ。ただね、確実に使うじゃないですか。もうね、確実に使うものが欲しいんですよね。


 昔、服やら鞄やらを贈ってもらったことがあったんですが、なんかもう、使わなきゃ、っていうプレッシャーがすごくてですね。服は年齢的に厳しくなったりもしましたし、鞄に至ってはその後まさかお裁縫にハマって全部自分で作るようになるなんて思わないじゃないですか。


 だからね、もう絶対に使うものが欲しいな、って。

 美容器具とかね、そういうのも使わなくなる未来しか見えないわけですよ。ダンベルすらそれを見越してペットボトル使ってるんですから。


 これが大人になるということなのか。

 それともアクセを強請る妻の方が可愛いのか。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る