第966話 謎のポイントはそこじゃない
いつもいつもお世話になっておりますAmaz◯nさんのCMの話なんですけど。
見たことあります? 最近流れてるやつなんですけど。
共働きですれ違いまくってる夫婦がいるわけですよ。旦那さんは奥さんが寝てる時に帰ってきて、そんで旦那さんが寝てる時間に奥さんが出勤して――って。お子さんはいないようでした。
で、旦那さんがね、奥さんからの『買っておいてほしいもの(黒板に書いてある)リスト』みたいなのを見たりしてね、たぶんそこくらいでしかやり取り出来てないのかな?
そしたらね、旦那さん気付くんですよ。
色々ベタベタ貼りまくってる冷蔵庫(コルクボードだったかもしれないけど)の最下層の方にね、『あの頃に戻れる券(だったかな?)』って写真付きの手作りの券があることを。
それでね、旦那さんはスマホを取り出してAmaz◯nアプリを起動、何かしらを注文するんですよ。
そんで仕事を早く終わらせて奥さんを迎えに行くわけです。いるはずのない旦那さんを見た奥さんはびっくりするんですよ、「どうしたのっ!?」って。そこへ旦那さんがすかさず「この券、まだ有効か?」みたいな。
そんでラブラブデートをして、帰宅するとそこにはAmaz◯nさんからのお荷物(置き配)が――……
っていう。
こんな感じのCM(微妙に違ったらごめんなさい)なんですけど、これを旦那と見てる時にですね、私が言ったわけです。
「このCMよくわかんないんだよね」って。
するとね、始まったわけです。
このCMの解説が。旦那による熱量高めのプレゼンが。おいおい何か大事になってきたな、と。
「えっ? わからない? 大丈夫! わかるよ!」って。どこの松岡修造氏かと思いましたわ。
まずね、この二人はすれ違ってるわけ!
――うん、すれ違ってるね。
だけどさ、旦那の方は現状をどうにかしたいって思ってるわけよ!
――お、おう。
そんな時にね、発見するわけ! 『あの頃に戻れる券』を!
――見つけてたね(あの頃ってどの頃? そしてあの頃に戻るってつまりどういうこと? 若返るってこと?!)。
旦那さんはね、奥さんへのプレゼントか何かをAmaz〇nで注文してね、そんで仕事をちゃっちゃと終わらせてね、そんで奥さんを迎えに行くんだよ! 見た? あの奥さんの驚きっぷり! 「んどほぉしたのっほぉう?!」ってくらい驚いてたでしょ?!
――(そこまで?)うん、驚いてたね。
普段そういうことしない旦那さんなんだよ。その旦那さんがさ、仕事を一生懸命早く終わらせてどうにか奥さんとの時間を作ったんだよ。イイハナシダナー。
――うん、そうなんだけど。
いや、ごめんな、旦那。
そんな熱く解説してもらったのに悪いんだけど、私がわからないのは、
「結局あの旦那さんはAmaz〇nで何を買ったのか」という点なんだ。
考えられるのは、
・奥さんの買っといてねリストのもの
・あの頃に戻るための何か
①若返りグッズ的なもの
②あの頃に奥さんが着ていた服とかそういうやつ
・単純に奥さんへのプレゼント
かな、って。
奥さんの買っといてリストのものを買ったのであれば、細かい日用品もAmaz〇nにお任せ! 的な話になるし、あの頃絡みのものであれば①でも②でも、Amaz〇nなら何でも揃っちゃうんだぜ、みたいな話になるし、奥さんへのプレゼントなら、Amaz〇nならラッピングサービスもやってまっせ、っていうアピールも出来るというか。
最後その段ボールを開けてキャッキャする描写がないものですから、結局何を買ったのかわからないんですよ。だからこのCMが何を言いたいのかわからなくて。いや、CMそのものとしては嫌いじゃないんですよ。こういう夫婦もいるよなぁ、ああでも旦那さん頑張ったなぁ、みたいなショートムービーを見てる感じで。
ただ、CMって考えるととにかく謎で。
そしたらですね、最後に「その特別な時間が、きっといちばんの特典です」ってメッセージが出て来るんですよ。これがこのCMで一番言いたかったことなんでしょうね。成る程成る程。
いや、だから!
その特別な時間をこの夫婦が過ごしたのはわかったけども!
その特別な時間のためにAmaz〇nさんは何をしたのよ! まだ箱開けてないし、いまのところその特別な時間部分に関与してなくない? これからでしょ、あなたの番!
っていうね。
そしたらですね、何とネット限定のロングバージョンもあるってことでね。これを見ればわかりやすいですよ、って。どれどれどんなもんだ!
って見てみたんですけど。
いや、わかりませんでした。
ショートバージョンとどこが違うんだろう、って間違い探しをして終わりました。私の読解力がないだけなのか。
そんで、現在、宇部夫妻の流行語が「んどほぉしたのっほぉう?!」になってます。
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