第965話 動じない男
お昼にね、LINEするんですよ、旦那に。お互いほぼ12時休憩なので。
ラブラブなアレじゃなくて、生存報告みたいな感じですね。こういうルーティンがあれば、もし仮にメッセージが来なかったりすると、何かあったのでは!? つってね、それで九死に一生、みたいなことがあるかもしれないじゃないですか。
送るのは、『おつかれさま』とか『夕飯何食べたい?(あるいは、夕飯〇〇にするけど良い?)』とかそんな感じで、休憩が終わる5分前くらいに『午後も頑張ってね』で〆るっていう、それだけのやり取りなんですけど。
とにかくまぁ、そんなルーティンがあるわけです。
さてある日のこと。
私のお休みの日のお昼でした。
その日はですね、とにかく風が強い日でして。宇部家の裏は田んぼですとか、何かのお店か施設の駐車場だったりして高い建物がないんですよ。なので、風がもろに当たるのです。
気温が高い日でしたから、風があるのはありがたいということで、開けてたんですよ。寒い日なら閉めたんでしょうけど、その日はかなり暑くて。かといってもうエアコンの時期でもありませんし。
いやー気持ち良いなー、なんてのんきに過ごして、旦那にお昼のLINEして、シチューのリクエストだけど日中こんなに暑いのに良いのか、みたいなやり取りしてですね、ぽちぽちとカクヨムしたりしてたら――、
網戸が吹っ飛んだんですよ。
えっ。
あみ、網戸が、吹っ飛ん、えっ?
旦那は車で5分くらいの実家で休憩してますんで、呼ぼうと思えば呼べる距離ではあるんですが、タイミングが悪くて。もうあと10分とかで休憩が終わる時間だったんですよ。
とりあえず、このまま飛んでったら危険なので、ウチの駐車スペースにいた網戸ちゃんを救出して玄関に入れまして。旦那が帰って来たらはめ直してもらおうと。
で、玄関に避難させた網戸の写真と、強風で網戸が外れたから、玄関に置いてるよ、っていうメッセージを送って、そんで〆にいつもの『午後も頑張ってね』って。
そしたらですね、『がんばりまーす』って普通に返事が来て。
さすが旦那、玄関に網戸があるというエマージェンシーな画像を見ても全く動じねぇんだな。こいつぁ頼もしいぜ! って。
そんで、その数時間後に帰ってきたんですけど――、
「ただい――うわぁ! 何でここに網戸が?! え!? えぇ!?」
めちゃくちゃ動じてて。
普通に『午後も頑張ってね』部分しか見ずに返信してたらしく。
ちゃんとはめ直してくれたんですけど、とにかくもうめちゃくちゃ動じていたのがツボでしたね。
ちなみに、こないだ珍しく私の休憩が13時からの時があって、12時にメッセージを送れなかったんですが、鬼電がかかってくるとかはありませんでした。
じゃあ私に何かあっても駄目じゃん! とも思ったんですが、旦那は旦那で「俺何かしちゃったんだろうか……」としょんぼり考えていたそう。知らず知らずのうちに地雷でも踏み抜いてたかな、って。いや、しょんぼりしてる場合じゃねぇよ。自宅で倒れてたらどうするおつもり?!
13時にメッセージが来て、めちゃくちゃ安心したとのことでした。荷物まとめて出てったんじゃないかと思ったー、と。
いやいや、コ□ナ真っ只中で北海道の実家になんて帰れないから。それに子ども達含めて三人分の飛行機のチケット取るとか、いくらかかると思ってんのよ。
その時は私が出て行くんじゃなくて、あなたが実家に帰ってくれ。仲直りした時すぐ迎えに行けるし。
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