第940話 本棚の話(ミザリー)

 近況ノートでね、本棚を公開する、ってのが流行ってたみたいでして。


 出来る限りの流行には乗りたい所存(だけどいまだにタピオカ飲んでない)の私としては、もう乗るっきゃないぜ! ということで、いずれ娘の部屋になる予定の漫画部屋に足を踏み入れ、自慢(?)の本棚をパシャパシャしてきたわけです。


 そんな宇部家の本棚、もうご覧になりましたかね。ふふ。

 ノートの方にもコメントのお返事などでちょいちょい書いたのですが、漫画はですね、まだ氷山の一角と申しますか、これ、180cmくらいある棚で、一つの棚に奥と手前で2冊並べられるという奥行きがあるタイプ(奥のやつの背表紙が見えるように少し高くなってる)なものですから、かなり収納出来るはずなんですけども、何かもうピチピチ。


 下の方には大判の本がこれまたピチピチに入っている上に、入り切らなかったやつが積ん読されています。これが全部古書だったらリアル京極堂(わからない人は京極夏彦先生の京極堂シリーズを読んでくれよな!※文庫は一冊一冊が凶器レベルの厚さ)なんですけど、ぜーんぶ漫画っていうね……。


 そう、それでですよ。

 漫画の話はまた今度何かの折に語らせていただくとして、今日は久しぶりに本棚を見て思い出した話をしようかなって。ええ、カクヨムここに入り浸るようになってからですね、漫画の方は読んでるんですけど、活字の方から少々遠ざかる傾向にあるといいますか。


 ミザリーなんですよ。

 スティーブンキング御大の。


 御大の映画はそんなに見ているわけではないんですけどね、itとか、シャイニングくらいですかね。スタンドバイミーも実はいまだに見たことないし、原作もほぼ読んだことはないんですけど、何か急に読みたくなったんですよ。


 洋書で。


 えっ、宇部さん、洋書読めるの!? 何か素敵! って思ってくださった方がいるかもしれないんですが、ご安心ください、読めません。


 いや、興味はあるんですよ。

 きっと毎日眺めていたら、少しずつでも目が英語に慣れてきて読めるようになるんじゃないかな? ってね、そんなこと思って。で、このミザリーは、翻訳のやつを読んだことがあってですね、それがすごく面白かったものですから、大体の流れは知ってるし、だったら何となくでもわかるかも! 


 そう思ってですね、電子書籍の方で原作を買ったんですよ(たぶん安かったんだと思う)。


 そしたらね、

 

『umber whunnnn yerrrnnn umber whunnnn fayunnnn These sounds: even in the haze.』


 一行目からこれで。


 私の辞書にね、

 whunnnn とかね、

 yerrrnnn とかね、

 fayunnnn なんて単語はないんですよ。

 多い多い。『n』も『r』多すぎるって。


 ……いやマジで何これ、喘ぎ声?


 確かに大まかな流れは覚えてるけど(翻訳のを読んだのはそれよりも数年前)、のっけからこんな喘いでたっけ? ていうかそんなシーンあったっけ?! 翻訳時には配慮してカットしたまさかの未公開シーン? 冒頭からお盛んですね!?


 いや、さすがに私だってね、whunnnn なんてこんなにも『n』の多い単語はないだろうってわかってるんですよ。日本語でもね、『ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛』とかね、ネイティブですら発音が難しい言葉もありますし(推しを過剰摂取した時などに喉の奥から発せられるやつ)、それと似たようなやつなんでしょ? けれども、その『n』を差し引いてもわからない。


 とりあえずさんざん盛り上がったわけですが、もう全然わからなくて。私の記憶の中のミザリーがどんどんぼやけていくわけです。ええい、仕方ない、と思って買ったのが現在本棚に並んでいるミザリーというわけでして。


 つまり、照らし合わせながら読めば良いじゃない! というわけです。

 小学生の頃、国語辞典を脇に置いて読書をしていた時のことを思い出します。あの頃の私は真面目だったな、と。いまより全然言葉知ってたな、と。


 さて、そのwhunnnn やらyerrrnnn やらfayunnnn やらは何だ!?



『ううんうん ううんうん

りーりーりりる ぐるるっいいいいい

しゅううううううっ』


 わかるか――いっ!

 そんで結局何の音なのよこれ! 


 今回の話を書くにあたり、久しぶりに頁を開きましたが、結局これ何の音なの!? もう少し読まないとわからないのかしら!?


 ちょっといま時間がないので、諦めました。


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