第902話 家庭内リモート

 漫画のね、話なんですけど。

 私の大好きな漫画で『腐女子のつづ井さん』というのがあるんですね。コミックエッセイというジャンルのやつです。このエッセイでも何度か登場しています。


 鉛筆描きみたいなゆるいタッチで、腐女子のつづ井さんとそのお友達がなんか楽しくやってる、というようなやつ。


 そのつづ井さんがですよ、まぁエッセイですから、やっぱりコ□ナの影響を受けまくってまして。お友達と集まってわいわい遊べないから、ってリモートで色んな企画(お誕生会とか、ハロウィンとか)するわけですね。


 もう、あれが羨ましくて。


 まずね、そもそも私はリアルに友達がいない。厳密にはいないわけじゃないんですけど、東北に出て来た時って、LINEとかたぶんなかったんですよ。スマホ……もあったかな? とにかく私がスマホ持ったのこっちに来てからですし、LINEもなんか怖くてずっとやってなくて。


 やっとそういうのを始めた頃には北海道時代の友人達とかなり疎遠になってたんですよね。そうなると、一応何かのきっかけでLINEの交換とかはしたものの、「いえーい、元気ー?」とかこっちから言えなくてですね。特に用もないですし。


 そんでそもそもLINEで長々やりとりとか、長電話とか、そういうの苦手で。姉とかでも無理。三往復くらいでもう用件済んだし、良い? って思う(でも妹だから言えない)。電話も正直5分が限界(でも妹だから言えない)。


 だからたぶん、何かのきっかけ(同窓会とか?)で会えば久しぶりーって話せるとは思うんですけど、これははたして友達なのか、って。


 そんで現在もママ友なんておりませんしね。いや、普通にママ友はいらないんですけど。職場の先輩とは仲良くさせてもらってるんですが、休みを合わせて遊ぶ、なんてこともありませんし。


 なので、羨ましくて。こんな趣味もぴったり合う友達とワイワイ出来るのが。

 まぁ、実際にいたらいたで、私がここまで弾けられるかってのはわかりませんが。


 でもこのリモートでわちゃわちゃするのやってみたーい! って。そう思ったら、誰に相談するか。もうおわかりですね。


宇部「良夫さん、今回のつづ井さんも最高に面白かったよ」

旦那「おー、良かったじゃん」

宇部「私もね、羨ましいですよ。リモートでこんな馬鹿騒ぎしたいよ」

旦那「馬鹿騒ぎかー」

宇部「馬鹿騒ぎじゃなくてもさ、このリモートのやつやってみたい。ほら、私の仕事ってテレワークとか絶対無理だし」

旦那「そうだなぁ」

宇部「あっ、それじゃあさ、家庭内リモートは? 別々の部屋で何か別々のことすんの!」

旦那「家庭内リモートかぁ。えっ、それじゃ俺何してたら良い? 台所で『はい、いまからね、お茶碗洗っていきたいと思いまーす!』って実況すれば良い?」

宇部「それはさ、家庭内リモートっていうか、家庭内ユーチューバーだね。『お茶碗洗ってみた!☆』的な」

旦那「違ったかー。でもさー」


 旦那がね、言うわけですよ。俺はあんまりリモートしたくないなぁ、って。


 えー、何でよ。面白そうじゃん、って返したんですけどね。


旦那「だってさー、せっかく同じ家にいるんだからさー。だったら一緒にいたいじゃん」


 こ れ は !


 トゥンクですわ!

 少女漫画でよくあるやつですわ!

 何か旦那の周りにシャボン玉みたいなのがぶわーって飛んでて、背景にバラとかあったりして、私も目の中に星がある感じのやつで、そんで頬も染めるやつですわ!


 おいおい、かれこれ15年くらい一緒にいるアラフォーの妻をトゥンクさせてどうするんだ、旦那?!

 

 そんな、ねぇ……?

 

 そん、そんな……、って、おま! お前! 上ちゃんと着てるのに、下パンツじゃねぇか! リモート会議の正装かよ!!


 そんな恰好で何言ってんだ!

 ちゃんとした恰好でTAKE2お願いします!

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