第875話 最近の息子
ここ最近、何の影響なのか、やけに『死』とかそういうのに敏感な息子です。最近身内に不幸があったとか、そんなことはありません。
人は何歳で死んでしまうのか。
死んだらどこへ行くのか。
地球が爆発したらどれくらいで直るのか。
などなど。
まぁ私もそういうのを考えて眠れなくなることがあったので、誰しもが通る道なのかもしれません。ただ、さすがに8歳とかではなかったような……?
難しいですよね、この手の質問って。
人間の寿命なんて、そりゃあ平均でいえばいまはもう80歳まで生きられる感じですけど、そんなのわからないじゃないですか。極論を言えばですよ、いまこの瞬間に死ぬかもしれないわけですし。
でもそんなことを言ったら、確実に彼はしょぼしょぼ泣いてしまうんですよ。
だから、とりあえず何事もなければ、パパとママは100歳まで頑張るよって話をするわけですけど、これもしガチで100歳まで生きたらですよ。息子も娘もまぁ70歳とかそんな感じになるわけですが、その頃も果たして「パパママ、いつまでも長生きしてね」と思ってくれるのでしょうか。
「これ下手したら俺らの方が先に死ぬんじゃね?」
ってことも考えられるわけです。70代といっても安心は出来ませんからね。
まぁそこまでシミュレーションする必要はありませんのでね、とりあえず、パパとママはとっても健康だから大丈夫だよアピールをするわけです。もうすぐ旦那の人間ドックもありますしね。このエッセイで報告出来るような事件が何もないことを祈ります。
それでですよ。
パパとママの寿命の話は置いといて(普通に考えたらパパとママより先にじいじとばあばなんじゃないかと思うんですが、そこに触れることがないのはなぜだ)、死んだらどこへ行くも置いといて(死んだことないからわからん)、地球の爆発ですよ。
いつ爆発するの?
いや、いつって言われてもね。
爆発したらどれくらいで直る?
そう簡単に直るものでもないから。
とりあえずね、君が生きている間は爆発なんてしないから安心して! と強く言い切るわけです。でっかい隕石が降ってくる可能性もゼロじゃないんですけど、それを言ったらもうきりがないですから。
そしたらね、またある日のこと。
宿題を終えてテレビを見ていた息子が言うわけですね(娘はまだ保育園)。
「パパとママが死んじゃったら、悪い大人が迎えに来るの?」
悪い大人って誰――!?
お前それ何の影響!? 誰の影響!?
最近見た特撮とかアニメにそんな展開あった!?
私に背を向けてね、そんなことを尋ねてくるわけですけどね、わかるんですよ、彼はちょっと泣いてるんですよ。目の辺りを擦ってますから。
おいマジで誰だよウチのエンジェルにそんなの吹き込んだやつは! そんな有害なコンテンツがあるのか!
もうね、何この繊細な子、と思いながらね、ぎゅっと抱きしめましたとも。
パパとママはそう簡単に死なないから大丈夫と言いつつ。
ところでそれはどこ情報? と聞きつつ(結局判明しませんでしたが)。
私も結構そういうことを考える子ではありましたが、それを親には言えずに部屋でこっそり泣いているタイプだったので、ちゃんと言ってくれる子で良かったなぁ、なんてね思いまして。
で、帰宅した娘はそんな繊細さの欠片もなく、スクラッチをするDJみたいな動きをしながらベイベベイベって歌ってましたね。
ねぇ、アナタはもうちょっと兄からその辺の感受性分けてもらって?
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