第855話 ある日曜の出来事

 慢性的に深刻なネタ不足に喘いでいるこのエッセイ。どこかでも書きましたけれど、たかだか数文字のネタを限界まで薄めて薄めてどうにか一本分に仕上げております。


 そんなわけで、とある日曜のマジで些細なエピソードをですね、私なりに限界まで引き伸ばして、あっ、これ向こうの景色も透けて見えます! ってくらいに引き伸ばしてお届けしたいところ。


 日曜といえばですね、私以外はお休みの日です。逆に言えば私だけお仕事。逆に言う必要はなかったんですが、こういう字数稼ぎが後々活きてきたり来なかったりするわけでして。


 さて、私以外がお休みですので、私の仕事が終わると宇部ファミリーが迎えに来てくれます。もう売り場の皆さんも慣れたもので、あー宇部さんトコのーみたいなノリ。


 それで先日の日曜はですね、やっと旦那が髪を切りに行けたらしく(5ヶ月ぶりだったそうです)、かなりさっぱりとした仕上がりになっておりました。


 皆さん、パートナーが髪を切った時に大事なことって何かわかります?


 そう、『褒める』です!


 まぁ似合っていない(と本人が思っている)場合は難しいところなんですが、とにかく褒めます。予期せぬトラブルによる丸坊主エンド(辻刈りに遭ったとか、ガムがくっついたとか)みたいなことでもない限り、私は褒めます。なぜって私はさっぱりヘアの男性が好き! ロン毛は二次元とか芸能人(しかも役)とかなら良いけど、家族のロン毛は嫌。


 なのでこれからも積極的に短髪をキープしてくれ! という思いを乗せてめちゃくちゃ褒めます。


 素敵。男前。格好良い。似合ってる。一段と男ぶりが上がった。


 ありとあらゆる言葉で褒めます。


 ただこれ残念なことに逆の立場だとなかなか気づかれないんですよね。

 私の場合はロングをばっさりやるくらいのアクションがないと、毛量20%OFFとかでもなかなか気づいてもらえない。アフロとかドレッドヘアにでもしないことには気づかれないかもしれません。


 まぁ仕方ないです。

 間違い探しレベルの変化を褒めるのも難しいでしょうし、そもそも男性はそういうのに疎いと聞きますから。


 それでですよ、店内を歩きつつマイハズバンドを褒めに褒めておりますと、娘が対抗意識を燃やして来たんでしょうね。


 このままではママに負けてしまう。パパの寵愛を受けるのは私よ。


 そう思ったかはわかりませんが、彼女なりの精一杯の褒め言葉を投げかけて来たんですね。


娘「パパ、あれだよね。えっと、あの、イケメンのー、イケメンのボスみたい!」


 イ ケ メ ン の ボ ス ? 


 夫婦共に「イケメンのボスって何ぞ?」となりましたが、彼女の心意気だけは受け止めました。たぶんイケメンのボスというのは、イケメンのトップに君臨するんでしょうから、その辺のイケメンが束になってかかってきても指先一つでダウンなのでしょう。マジで you は shock 。


 もうね、子どものワードセンスどうなってんのかなって。子どものっていうか、娘の。


 ちなみに今日の話、内容としてはこれだけですから。『髪を切ったパパに娘が「イケメンのボス」って言った』ってだけの話をここまで薄く引き伸ばしましたから。


 もうね、向こうの景色も丸見えですわ。

 皆さん、これが宇部ッセイだよ。エッセイなんてどうやって書いたら良いのかわからない~、なんて思っているそこの君! こう書くんだぜ!(ほんと?)

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