令和3年5月
第802話 荒んだ心を癒やすのは
あっという間に5月ですね。
世間ではもうGWどころじゃない感じになっておりますが、GWがなくなりますと(なくなるわけじゃないけど)大変なのはどの業界かわかりますか?
行楽地関係?
もちろんそうです。
飲食関係?
もちろんそうです。
この辺はですよ、お客さんが来なくなって経営が大変だ、って方ですよね。切実なやつ。
逆にですね、お客さんが来まくってえらいこっちゃっていうのもあるわけです。
小売店です。つまり私の職場です。
元々GWは稼ぎ時で忙しかったんですけど、去年はもう「ウチってテーマパークだったかな?」ってくらいの混雑ぶりでして。嬉しい悲鳴を上げているのは経営陣のみでして、現場の方はというと、ガチの悲鳴を上げております。
昨年は、行き場をなくしたファミリーがフルメンバーで押し寄せ(お買い物は出来るだけ代表の人が短時間で、みたいなことをさんざん言われている時期でした)、何か買うでもなく、ひたすらうろうろするという地獄のような密っぷりでした。いやここでクラスター発生したらおしまいぞ? ってね。
困るのがお子さんを放牧する(もうそうとしか言い切れない)ご夫婦。お嬢ちゃんお坊ちゃんが店内で走り回ろうが泣き叫ぼうが知らん顔で「もー行くよー」なんですよ。
おいおいおいおい、拐われても知らんぞ!?
近所(でもないけど)の百均ではですよ、店内放送で「マスクをしろ、買い物は最少人数にしろ、店員には話しかけるな、電話での問い合わせもやめろ」みたいなことを流しててですね、ものすごく羨ましかったですね。それが守られるかは別としてですよ、従業員のこと守ろうとしてるな、ってのが伝わってくるわけですよね。
近所のスーパーはお店のロゴ入りマスクみたいなのを支給していて、それを皆さん装着してるんですけど、そのデザイン云々はさておいて、そういうのも良いなぁって。一頃より手に入るようになったとはいえ、マスクは消耗品ですから。そういうところにも従業員愛を感じてしまうわけですよ。
ウチの店、そんなの一切ねぇ。
もうね、そういうのにもイライラしちゃう。こっちは会社からも全然守ってもらえなくて、ただひたすら毎日鬼のように忙しいのに、おうおうお前達は楽しそうにお買い物だなぁ、と。
そんな荒んだ私の心を癒やしてくれるのが、家族と、そして――、
アイスなんですよね。
まーた出会ってしまって、最高のやつに。
ちなみにこの前の『最高の出会い』は『やわもち』というアイスで、ミルクアイスの上にあんこと白玉が乗っかってるやつでした。ただ、私のような歯に被せものがある人はですね、そんな小さな白玉にも怯えているんですよ。アイツらあんな小さい身体でも立派に属性は餅ですから。山椒小粒でピリリと辛いなんて言いますが、白玉は小粒でもしっかり被せものを絡め取っていきますから。良い仕事しやがるんだ、あいつら。
だからね、食べたくてもなかなか勇気が出なくて。食べる時も白玉だけは前歯でそっと噛む感じですよ。
が!
そんなあなたに朗報!!
アイスまんじゅうですよ。私ったら和菓子好きあんこ好きを公言しておいて、この昔からある和アイスを食べてなかったんですよ!
「最近、松清子よく和菓子食べてるから」
と、旦那が買ってきてくれたんですが、私そもそも棒付きアイスが苦手で(鈍くさすぎて棒からアイスを落としがち)、ノーマークだったんですよね。しかもそのアイスまんじゅう、ガリガリ君とかみたいに平べったい感じじゃなくて、凍らせたプリンの真ん中に棒が刺さってる感じなんですよね。
えっ、こんなの絶対重力に負けるやつじゃん。
そんな思いで食べたんですけど。
ちょ、何。
めちゃくちゃ美味い。
中のあんこもとろりと柔らかいし、バニラアイスに練乳入ってんな?!
そんで意外と落ちねぇ!! タフ!!
イメージとしては『やわもち』の白玉なしverですね。これなら白玉に怯えず食える!!
今年のGWはこれで乗り切ります!
良いか、このエッセイを読んだ皆、自粛自粛で行くところがないからってテーマパークのノリで小売店に突撃するのはやめてくれ。
従業員の仕事は接客だけじゃないんだ。
通常業務も当然のようにあるんだ。
どんなに忙しくてもそっちが終わってないと「は? 何で終わってないの?」って理不尽に詰められるんだ。
本部の野郎共は現場がどんなにしっちゃかめっちゃかなんて知らねぇんだ。
間違っても「あなた達の仕事を作ってあげてるのよ?」みたいな態度はとるな。あなた達が来なくても私達の仕事はやんなるほどあります。
あーもー、アイスまんじゅう食べたい。
あっ、この一時間後くらいに桃太郎完結します!(突然の宣伝)
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