第649話 放さない

 こないだ、サンタさんにお願いするプレゼントの下見と称して、このイオン(かなり小規模)やら本屋さんやらを回ったんですが、いやはや、どこに行ってもクリスマスですね。子ども達は次から次へと「あー、これも良いー」みたいなことを軽々しく言ってくるわけです。


 そんでやはり傾向として、娘はデカいものを狙ってきますね。強欲。リカちゃんのお家とか、リカちゃんの●●屋さんみたいなやつとか。

 反対に息子はというと、ウルトラマンの怪獣ソフビコーナーから動かなかったりして。待て、お前! それは日々のご褒美とかレベルの価格だぞ?!


 いや、てっきりですね、ライダーの変身ベルトとかそろそろ欲しがるのかなぁって思ってたんですよ。結構前の話になりますけど、ライダーの変身ベルトがとにかく人気だった年があるんですよ。何だっけ。オーズとかだったかな。予約しないと買えないとか、予約しても買えないとかそんな噂があったような気がします。


 が。


 今期のライダー、ほんともう、びっくりするほど盛り上がってないんですよ、宇部家で。子ども向け特撮といえばですよ、ライダー、戦隊、ウルトラマンの三種類がメジャーなジャンルだと思うんですけど、息子が好きなのはやはりライダーとウルトラマンのようでして、戦隊ものはまぁ、流れてれば見るけど~、みたいな感じのよう。


 それで、ずぅっと昭和のやつばっかりだったんですけど、前回の仮面ライダーゼロワンがかなりの食いつきだったので、その流れで今期のも見るのかなと思っていたのですが、もうぜーんぜん。録画すらしていないという有様。


 なので、ライダーベルトにも全く見向きもしないという。

 こっちとしてはですよ、こういうわかりやすいおもちゃをねだってくれた方が楽なんですよ。だってそのままウチの親に流せば良いわけですから(オイ


 ちっ、もっと頑張れよ仮面ライダーセイバー! もっとウチの子を惹きつけて来いよ! 娘なんかお前『セリバー』って間違えて覚えてるんだからな。


 とお門違いの怒りをぶつけても仕方がありませんので、おもちゃ売り場をぐるぐる回らせてちょいちょい目星をつけてですね。よし、せっかくだから、ちょっと大きめの本屋さんにも行こうか、ってなりまして。


 今日は一冊ずつ買ってあげるから、ほしいの選びなさい(ただし、あんまり高いのはダメ)、と二人に告げ、娘ちゃん&旦那チームと、息子君&私チームに分かれることになりました。


 するとですね、入り口付近にあったんですわ。


 ディアゴスティーニが。

 

 わかります、ディアゴスティーニ?

 付録付きの雑誌……っていう説明で合っているのかわかりませんが、毎号毎号ちょっとしたパーツがついてきて、それをちまちま組み立てると何かすごいやつが出来上がるやつです(何この説明)。

 そんで、これってそういう工作的なやつだけじゃなくて、DVDがついてるやつもあるんですよ。創刊号に専用のファイルとかがついてきたりして、その中に収めていく、みたいな。


 そのディアゴスティーニさんにですね。

 あったんですよ。


 仮面ライダーXが!!


 くっそマジかお前。そ、そんな目立つとことに陳列されたら……ああっ、やっぱり息子に見つかった!! ヤバい!! 手にとったぁぁぁぁぁぁ!!!


 もう放しませんでしたわ。

 絵本コーナーとか、幼児向けの雑誌コーナーとか促しましたけど、ダメでしたわ。

 だってほら、もう内容がね? 我々とかを満足させてくれるようなやつですからね? そりゃあ息子だって大満足ですよ。DVDもついてますし。雑誌自体は薄いんですけど、フルカラーですし。そんで1200円くらいするんですけど。


 うん、まぁ毎号買わないなら……良いけど……。


 いや、ていうかさ、お前Xなんてもう何回もTSUTAYAで借りまくってるじゃん!


 ちょっともうマジでセイバーお前! もっとウチの息子を惹きつけてくれよ!


 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る