第534話 左利き

 いや、全然右利きなんですけどね、私は。私だけじゃなく家族全員右利き。


 仕事中にふと考えたやつで、それを書く予定はいまのところないんですが、


『左利きの人が異世界に転生(転移)した場合、その世界のあれやこれやは左利きに対応しているのだろうか』っていう。


 職場にですね、2人くらいかな、左利きの方がおりまして。何でしょうね、字を書いたりしているのを見ると、やっぱり何かこう違和感があるんですよ。その人にとっては普通のことなんですけどね。でも、憧れました、左利き。何かほら、天才は左利きだ、みたいな風潮もあるじゃないですか。


 昔は矯正されたりした、なんて話も聞くんですけど、いまは左利きさん用の文房具とかあったりしますよね。私、まさかハサミに利き手があるって知らなくて、そんな、どっちの手で持ったって切れるに決まってんじゃん! って試しに左手で切ってみたら全然切れなかったりして。


 私は右利きなので、左利きさんがどういう局面で苦労しているのかさっぱりなんですけど、異世界って、だいたい中世ヨーロッパ的な世界じゃないですか。あの時代って左利きさん用のあれやこれやがちゃんとあるのかな、って。その辺のケアどうなってんのかな、って。


 どうします? 世界を救う勇者様が左利きだったら。


 そんなの知らんよ、大半の人が右利きなんだから、少数派は我慢しなさいよ、っていう世界なのかどうなのか。勇者様ですよ? あなた勇者様に向かってそんなこと言える? 作れ作れいますぐに! 開発しろ、左利き用の道具!


 いや、宇部さんその辺はね? 上手いこと右利きの人しか転生させてないのよ、ってことかもしれませんけども。いますってきっと一人くらいは。これだけぽんぽんぽんぽん転生してるんですよ? それとも何かい、異世界直行便(トラック)は右利きのみをターゲットにしてんのかい?


 急須とかね、レードル(お玉的なやつ)とかね、えらい大変だって聞くんですよ。もしかしたらイベントの一つでね、聖なる水を使ってお茶を淹れるとかね、海の水をレードルで掬って中ボスの乗った船を沈めろ、みたいなのがあるかもしれないじゃないですか。大変ですよ、もう手首やっちゃう未来しか見えない。誰か手伝ってやれよ! いやきっとそれは伝説の急須と伝説のレードルだから、勇者以外は装備出来ないアイテムなんですよ。勇者以外が持つとシワシワのミイラになって死ぬんですよ、だったら勇者がやるっきゃねぇ! 例え、この左手が死んでも! 勇者たるもの逃げるわけには!!


 と思いましたけど、利き手死んだらまずいですからね。その後の戦闘に支障が出ちゃう。だから、ちょっとここは慣れないながらも右手を使うか、いっそ仲間を一人犠牲にするかですよね。世界を救うためです、仲間の一人や二人……(※残酷描写有り)。


 ていうか、剣とかも左利き用とかあったりするんでしょうか。もしあるとしたら、伝説の剣ヤバいですよね。その辺はちゃんと対応してくれるんでしょうか。さすがに伝説の剣ともなるとその辺は融通利かせてくれるんでしょうか。


 これ、タイトルはこんな感じでしょうね。


『左利きの俺が異世界に飛ばされて勇者になったは良いけれど、この世界のありとあらゆるものが右利き用に作られてるんだが』


 そんで略称は『左利き勇者』で決まり。


 左利きの人は「わかるー」って言いながら読んでくれること請け合い。さぁ、左利きのWEB作家さん! こちらのアイディア差し上げますんで、書いてください!! 既にこういう話があったらごめんな!


 

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