第421話 血のせいなのか、そもそもの性格か
先日ちょろっとコメント欄で血液型の話をしたので、それにまつわるようなまつわらないような話を一つ。
ウチの洗濯機なんですけど、ええ、何度目かの引っ越しで脱衣場に入らなかったがため、泣く泣く買い替えざるを得なかったという経緯で我が家にやって来た先代よりも無口なガイです。その彼(男だったのか)の、洗剤投入口なんですよ。同じタイプの人じゃないと伝わらないかもしれないんですが。
まず、液体洗剤。これは蓋の下、洗濯機の縁にあります。位置は左です。上から見た洗濯機を□だとすると、その左下の角にあるわけです。ここは動きません。これは良い。
問題は柔軟剤を入れるところです。
これは洗濯時にくるくる回る洗濯槽の方についています。つまり、こいつは場所が常に定まっていないのです。昨日は時計でいうと12時の位置にいたのに、今日は3時の位置にいたりするわけで。伝わってますか、大丈夫ですか。
最新のやつとか高いやつだと、あらかじめ多めに洗剤を入れておくと、洗濯物の量によってそこから自動的に流し入れてくれたりする機能があったりするみたいなんですけど、ウチのはかなり前に買ったやつですし、国内メーカーのではあるんですが、安いやつですからね。そんな機能があるわけもなく。
それで、これが何なのかって話なんですけど。
皆さん、洗剤に限らず、カップに液体を注ぐ時の手ってどうなります? 私は左手でカップ、右手でボトルを持って注ぐ感じなんですけど。これ、右利きの人って皆こうなんですかね。ああ、「私はカップをテーブルに置いて注ぐ派です」というのは一旦なしの方向で。
で、洗濯ですよ。
液体洗剤の方は良いんです。場所は常に固定ですし、上にあるので、何にも引っ掛かったりしないわけです。じゃーじゃー注ぎます。そんで少し溢れたりします。
問題は柔軟剤です。先述の通り、こいつは場所が定まっていないのです。私としては時計でいうと12時~5時くらいの位置にあってほしいんですよ。こいつは洗濯槽の方にあるため、洗濯機の縁もなかなかに邪魔をしてくるのです。この奥まった場所にある投入口に、利き手ではない左手でこぼさないよう柔軟剤を注ぐというのは至難の業なんですよ。
手の構造上、右手は左方向に注ぎやすいように出来てますし、左手は右方向に注ぎやすいように出来ていると思うのです。だから、左手で注ぐ場合は、右の方に投入口があってほしい。けれども奴さん、毎回毎回そっちの方にあるとは限らないわけでして。結構な確率で7時~11時くらいの位置にあったりするわけですよ。そしたらもう身体全体をちょっと捻るくらいの感じで注ぐわけですよ。
もう慣れたから良いんですけどね、でもそういうのもあって、先代が恋しくなってたりしたわけなんですけど、ある日、旦那にもその話をしたんですよ。旦那も右利きだし、きっと同じ思いをしているだろう、と。この洗濯機とはもう結構長い付き合いだけど、このもやもやをいまさら分かち合おうぜ、みたいな気持ちでね。
そしたら――、
「俺はそういう時、カップを右手に持ち替えてる」
言ったわけです。
彼はね、そう私に言ったわけです。
え? と言葉を失っている私に尚も言うわけです。
「いや、だからさ、ボトルを棚に戻して、カップを右手に持ち替えて注いでるよ」
いや別に、そこまで言わなくてもちゃんと伝わってますけどね。
もうね、目から鱗っていうかね。
いや、ほんとにこれで目から鱗落としてたら私ただの馬鹿みたいなんですけど、でもね、本当に「えっ、その手があったか」みたいな感じでですね。何でしょうね、ボトルを置けば右手が空く、なんていうごくごく当たり前のことにずーっと気付かなかったんですよ。
いや、もしかしたらどこかのタイミングでは気付いていたのかもしれません。だけれども、棚にボトルを置く→カップを右手に持ち替える→注ぐ→棚からボトルを取り出して蓋(カップ)を締める→ボトルを棚に戻す、という一連の動作が面倒くさくて気付かない振りをしていたのかもしれません。
それで「面倒じゃない?」って聞いたんですよ。
そしたらね、
「面倒じゃないよ。利き手じゃない方の手で無理やり注いでこぼしたりしたら、そっちの方が嫌じゃない?」って。
おいそれは利き手じゃない方の手で無理やり注いでちょいちょいこぼしている私に対してのあてつけか?
というのはさすがに飲み込みました。たぶん彼は素でそう思ってるんですよ。畜生。
いや、彼はさすがA型だな、って。
……A型関係あります?
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