第405話 ★★★ 今後の成長に期待!
たった一枚の絵にどれだけの要素が詰め込まれているの!? と、ストーリー序盤から驚かされました。
ここから先はネタバレになりますが、まさかあの巨大な城を護っているのがサナダムシだっただなんて、誰が予想出来たでしょう。それから、次々と現れる登場人物。そうです、あの隅っこに描かれていた模様のような一つ一つはすべてこの物語を彩る重要な役者達だったのです。語り手から命を吹き込まれるたびに、彼らは絵の中で生き生きと踊りだします。
最後はもちろんハッピーエンド。
ややフェードアウト気味のハッピーエンドではありますが、ハッピーエンドであることは間違いありません。なぜって、語り手がこう言うのですから。
めでたし、めでたし、と。
……ってね、何のレビューだ、って話なんですけど。
ここ最近ですね、娘ちゃんのクリエイター魂に火がついたみたいでして、兄貴にゃあ負けてらんねぇと、『かみしばい』を作ってくれるのです。
ただ、その『かみしばい』、だいたい1枚しかないんですよね。その1枚の中にありとあらゆる話が詰め込まれているのです。まぁよくぞ考えたな、と。さすがは私の娘なのです。短編向きなんでしょうね。君、紙芝居ってどういうものか知ってる? まぁ、紙を使って芝居はしているけれども。
メインの登場人物は「ハートちゃん」といいまして、頭部がハートの形をしていることから命名された模様。名は体を表すにもほどがあるビジュアル。まぁ、ハートというよりはVの形に近いんですけどね、最初ウサギちゃんかな? と思ったんですけど、怒られましたね。「どうみてもハートちゃんデショ!」と。ええ、どう見てもハートちゃんでしたわ(錯乱)。ごめんなさいね。
そのハートちゃん、今回はですね、お姫様役に抜擢されたらしく、何とも素敵なドレスらしきものを纏っていらっしゃいます。何だかとっても三角。
そんなハート姫様、何やら大きな建物の中におられましてですね、その外にはひょろっとしたものが立っているのです。
「これは何?」
と読者(私)が尋ねますと、
「これは、お城をまもってるに決まってるデショ!」とのお言葉。
えっ、こんなひょろひょろしたものに護られてんの、この城?!
「これは、なんていう名前なの? サナダムシ?」
その単語を出してしまったが最後、
「そう、それ」
彼は『サナダムシ』ということになってしまいました。ハート姫様はサナダムシが護る城に住んでいるようです。大丈夫、この城?! ていうか、サナダムシってことは、この城、体内に建設されてるってこと?! と一抹どころじゃない不安がよぎりましたが、まぁ良いです。そんなことより続きが気になるわけです。いまのところ、ハート姫様の紹介とサナダムシのことしか述べられておりません。
「そこへ、犬がやって来ました」
「犬?! 犬どこにいた?!」
「これよ、これ(端にある何らかの塊を指差す)」
「オーゥ……(これ犬だったの――!?)」
とこんな感じで次々と「書き損じかな?」みたいな塊に命を吹き込みますと、結局全員の自己紹介だけで物語は終了。「みんなで仲良くダンスをしましたー。めでたしめでたし」と、突然のダンスパーティーで物語は締めくくられました。
鳴りやまない拍手に作家先生もご満悦のご様子。
宇部家での最高PV3を獲得し、★も全員から投げ込まれました。現在★9です。おまけにうち1人からは上記のレビューまでつく始末。
よしよし、娘よ。
こうやって書くことと読まれることの喜びを知るのだ。
ママは
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